第7試合◎FINAL16:K-1ルール/3分3R延長2R
バダ・ハリ
(モロッコ/ショータイム)
vsチェ・ホンマン ×
(韓国/フリー)
延長1R0分00秒、TKO ※タオル投入。2R、バダ・ハリは左フックでダウン1あり
report

開幕戦が開催される韓国のファンが、ヒリヒリとするような対決が実現。兵役や手術の影響で1年ぶりの試合となるチェ・ホンマンの相手は、なんとバダ・ハリ。バダは、グラウベ、セフォー、ドマジョフ・オスタジックを1RKOで倒し、3戦連続KO記録を更新中だ。バダは、「高額な保険をかけておけ!」とホンマンを挑発。だが、ホンマンの金泰泳トレーナーは、「直線的に動くバダは、むしろ闘いやすい」と自信満々。バダは打たれ脆い面もあるため、どんな結末になるのか最後まで分からない。

 ホンマンが会場に現れると、なんと割れんばかりの歓声が会場に響き渡る。期待と不安が入り混じっているような、そんな印象も受ける。バダが登場すると、歓声もそうだが、ときおりブーイングも聞こえてくる。バダはホンマンを睨み上げる。ホンマンは、あまり視線を合わせない。ヒールとヒールの図式が完全に出来上がっていた。

 1R、悲鳴とともに試合開始のゴングが鳴らされる。ホンマンは右ローキック、前蹴りを放つ。スピードで上回るバダは、素早いローキックを次々と決める。パンチのフェイントを入れつつ、右ローキックを走らせる。ホンマンは、前蹴りで防ごうとする。バダは横に入るフェイントをかけつつ、ローキック。ホンマンはジャブで止めにかかる。そしてバダは、左、右とフックを繰り出す。しかし、届かない。ならばと、右のパンチをボディへ叩き込む。ホンマンは前蹴り。バダは、右ボディ。そして右ストレートを顔面へ打つと、ホンマンの右ストレートも入る。バダがバランスを崩し、会場がドッとわく。

 2R、ホンマンは左ローキックをコツリ。バダもインローを返していきつつ、左のパンチで飛び込んだ。と、その瞬間、ホンマンの左フックがバダに直撃。軽くヒットした程度だったが、バダは尻餅をついてダウン。なんとホンマンがダウンを奪い、場内は騒然となる。すぐに立ち上がったバダは、ローキック、ミドルキックを打っていくが、ホンマンを崩せない。フックを強引に打っていくが、届かない。まさかの展開となっていった。

 3R、後のないバダは、右ローキックを連発。足から崩していくつもりのようだ。ホンマンは前蹴りでバダを吹っ飛ばす。バダは右フックで飛び込む。ホンマンが右フックを飛ばすと、バダがバランスを崩す。バダは、ホンマンの顔をではなく、ボディへ狙いを定める。右のボディストレート、左ボディがホンマンの脇腹へ。ホンマンは左フックを繰り出すが、バダには当たらない。バダはジャンプしてのパンチまで放つが、ホンマンの顔面に届かない。勝負は判定へ。手数はバダだが、ダウンのマイナスがどこまでジャッジに響くかがポイントとなった。判定は1(ホンマン)-0でドロー。勝負は延長戦へと突入することに。

 延長戦。ゴングが鳴らされると、ホンマンは脇腹を痛めたのか、セコンドの金泰泳がタオルを投入。これにより、ホンマンの敗北とともに、バダの決勝トーナメント進出が決まった。■

 
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バダ・ハリのコメント

――試合の感想をお願いします。
バダ オレは強いと実感したよ。韓国のファンが大好きな選手と闘ったけど、オレはやるべきことをやった。
――判定で延長戦に突入することは予想していた?
バダ 韓国で行なわれた試合だから、いろんな可能性があった。でも、ヤツはオレを一回しか殴れなかった。それ以外はオレが試合をコントロールしていた。それに、延長になっても勝てたさ。延長だろうがなんだろうが、あと100Rくらい闘えるスタミナはあったからな。
――3Rの判定の時点で勝てると思いましたか?
バダ オレが勝つと思っていた。まあ、相手は韓国で人気のある選手だからな。可能性は予想していたが、正直な話、勝っていたはずだ。
――ホンマン選手にダウンを奪われたことに関してはいかがですか?
バダ 最初にヤツがK-1に入ったとき、素晴らしいファイターだとは思わなかった。でも、今はいい選手になったな。ただ、オレほどじゃない。オレのようなトップクラスと闘えるほど強くはないってことさ。
――ホンマン選手が棄権した理由はボディーブローが原因でしょうか。
バダ ドクター曰く、彼の肋骨は折れているようだな、ハハ。■


チェ・ホンマンのコメント

――棄権の理由を教えてください。
ホンマン 久しぶりの試合で負担が大きかったんです。ケガはないのですが、次の試合を見据えての棄権です。
――誰の指示でしょう。
ホンマン 私自身が決めました。
――やはり9ヶ月ぶりの復帰戦は厳しかったのでしょうか。
ホンマン それはなかったですが、デビュー戦のように緊張していました。体に大きな問題はなかったのですが、次の試合のために棄権しました。
――今回の対戦、バダ・ハリ選手の挑発を避けていたように見えました。
ホンマン 相手を無視する気持ちはありませんでした。でも、試合前の視線は少しおかしくて(苦笑)。相手はいつもそういうことをしている選手なので、気にはしませんでしたけどね。
――ブランク前の試合との違いはありましたか?
ホンマン スパーリングの練習が足りませんでしたね。それに緊張していた部分でも違いは感じました。
――右の腹部は大丈夫ですか?
ホンマン (叩きながら)問題はありません。心配はないですよ。ただ、ファンは失望したと思います。ですが体の方が重要です。12月に試合が残っているでしょうし、ここまでにしようと考えました。
――12月の試合とは?
ホンマン 決勝大会のリザーブファイトに出る可能性はあるでしょうし、年末に試合をすることもあり得ますから。
――ダウンを奪ってKO寸前まで相手を追い詰めました。
ホンマン 練習不足です。ですが、今は解決しています。これからは格闘技に集中しますよ。
――今後、総合格闘技の試合に出る可能性はありますか?
ホンマン チャンスがあれば出たいですね。■