第8試合:EUROPE GP開幕戦第5試合/K-1ルール/3分3R延長1R
アティラ・カラチ
(ハンガリー/ハンガリアン・トップチーム)
vs ピーター・ボンドラチェック ×
(チェコ共和国/バカルディ)
3R1分21秒、KO ※右フック。2R、ボンドラチェックは右フックでダウン2あり
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 ある意味、ハンガリー大会のメイン級の試合といってもいいのが、この対決だ。地元の英雄、アティラ・カラチは、2006年のハンガリーGP優勝の経験を持つハンガリーのエース。ハンガリーGPを制したあとは、オランダのEURO GPでナオフォール“アイアンレッグ”に不覚を取ってしまったが、カラチにとって今回は大きなチャンスといっていい。地元の英雄と闘うのは、チェコのピーター・ボンドラチェック。昨年の世界最終予選では、アリエス・マストフの後ろ回し蹴りでKO負けというショッキングなことはあったが、ボンドラチェックにとって巻き返す大切な一戦となる。
 地元の大声援を受けて登場したカラチ。リングサイドのピーター・アーツやアーネスト・ホースト氏、レミー・ボンヤスキーよりも人気は断トツだ。

 1R、先制はボンドラチェックだ。左ローキック、左右のフックで硬いカラチを攻めていく。カラチは、ヒザ蹴り、右フックを慎重に返す。ボンドラチェックは、パワフルなフックでKOを狙う。これは間一髪でかわしたカラチは、右ローキックを冷静に蹴り、左フックをヒットさせる。ボンドラチェックは、右フックを返す。カラチも右ストレートを当てたところで、ラウンドが終了した。

 2R、左ストレートをヒットさせるカラチ。ボンドラチェックは右フック。カラチは、右ローキック、左フック、ローキックと連続技で攻めていく。ボンドラチェックは左ミドルキックをカラチのボディへ叩き込む。カラチが左フックを放つが、当たりは浅い。スリップのように倒れたボンドラチェックはダウンを宣告されて不満顔。勢いがついたカラチは、左右のパンチを放ち、右ストレートを打ち抜いた。これがまともに当たり、今度こそ間違いなくダウンだ。

 3R、カラチの勢いは止まらない。右ミドルキック、前蹴りをボンドラチェックに突き刺す。ボンドラチェックは、左右のフックでダウンポイントを挽回しにかかる。だが、カラチの右ストレートがまたしてもボンドラチェックのアゴを打ち抜き、これで勝負が決まった。地元の英雄が、EURO GPファイナルへ進出だ。■

 
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アティラ・カラチのコメント

——見事な地元での勝利でした。
アティラ 去年と同じ場所で同じ時に勝てたことは嬉しい。昨年はイグナショフにメチャメチャやられたからね。もちろんプレッシャーもあったけど、勝てて嬉しいよ。
———モチベーションは何だった?
アティラ 昨年と同じようにファンをがっかりさせたくなかったんだ。去年はみんな下を向いて帰っていったからね。今年は絶対に負けられないと思ったよ。
———レミーやアーツ、ホーストらと同じくらいの大きな歓声で迎えられたことに関しては?
アティラ 試合がはじまった瞬間に周りの音が消えてしまったけど、終わったあとに熱気みたいなものを感じましたね。
———ボンドラチェックの印象は?
アティラ 彼は本当に危険な選手でしたけど、クールに闘えたことが勝因だと思います。
——ハンガリーのK-1人気については。
アティラ どこの国でも一緒だと思うんですけど、そこの国の選手が勝つ事は大きなことだと思います。
——ヨーロッパGPを勝ち抜くためにライバルは誰だと思う?
アティラ 今日は全然試合を見てないので、家でビデオを見てから準備は十分にしていくつもりです。■