ある意味、ハンガリー大会のメイン級の試合といってもいいのが、この対決だ。地元の英雄、アティラ・カラチは、2006年のハンガリーGP優勝の経験を持つハンガリーのエース。ハンガリーGPを制したあとは、オランダのEURO GPでナオフォール“アイアンレッグ”に不覚を取ってしまったが、カラチにとって今回は大きなチャンスといっていい。地元の英雄と闘うのは、チェコのピーター・ボンドラチェック。昨年の世界最終予選では、アリエス・マストフの後ろ回し蹴りでKO負けというショッキングなことはあったが、ボンドラチェックにとって巻き返す大切な一戦となる。 地元の大声援を受けて登場したカラチ。リングサイドのピーター・アーツやアーネスト・ホースト氏、レミー・ボンヤスキーよりも人気は断トツだ。 1R、先制はボンドラチェックだ。左ローキック、左右のフックで硬いカラチを攻めていく。カラチは、ヒザ蹴り、右フックを慎重に返す。ボンドラチェックは、パワフルなフックでKOを狙う。これは間一髪でかわしたカラチは、右ローキックを冷静に蹴り、左フックをヒットさせる。ボンドラチェックは、右フックを返す。カラチも右ストレートを当てたところで、ラウンドが終了した。 2R、左ストレートをヒットさせるカラチ。ボンドラチェックは右フック。カラチは、右ローキック、左フック、ローキックと連続技で攻めていく。ボンドラチェックは左ミドルキックをカラチのボディへ叩き込む。カラチが左フックを放つが、当たりは浅い。スリップのように倒れたボンドラチェックはダウンを宣告されて不満顔。勢いがついたカラチは、左右のパンチを放ち、右ストレートを打ち抜いた。これがまともに当たり、今度こそ間違いなくダウンだ。 3R、カラチの勢いは止まらない。右ミドルキック、前蹴りをボンドラチェックに突き刺す。ボンドラチェックは、左右のフックでダウンポイントを挽回しにかかる。だが、カラチの右ストレートがまたしてもボンドラチェックのアゴを打ち抜き、これで勝負が決まった。地元の英雄が、EURO GPファイナルへ進出だ。■ |