第2試合◎K-1 WORLD GP FINAL準々決勝戦(1)/K-1ルール/3分3R延長1R
ジェロム・レ・バンナ
(フランス/Le Banner X tream Team)
vs チェ・ホンマン ×
(韓国/フリー)
3R判定3-0 ※30-29、30-28、30-29
report

 最高のリマッチがここに実現した。ジェロム・レ・バンナとチェ・ホンマンの初対決は、昨年のWGP開幕戦だった。2年連続で決勝トーナメント進出を狙うホンマンは、「ぜひバンナのパンチを受けてみたい」と豪語。さすがに体格差があったため、蹴りを中心に試合を組み立てていたバンナだが、“K-1番長”の意地が出て、殴り合う場面も。延長まで勝負がもつれ、僅差の判定でバンナが勝利をものにしている。「あれは壁だ。岩だ」とホンマンの肉体の強さに驚きを隠せなかったバンナ。ホンマンも「もっと殴り合いにきてくれると思った」と悔しがった。今年のWGP開幕戦は、バンナがルスラン・カラエフの代理で出場したパク・ヨンスを軽くKO。一方のホンマンは、宿敵マイティ・モーを下し、ともに勢いに乗っている。バンナは、ハシゴを使ったホンマン対策をしてきたといい、今度ばかりは、KO決着が必至か。

 1R、バンナは左ストレート。ホンマンは前蹴りで、ディフェンスする。リングを大きく使って周るバンナ。ホンマンは左ストレートを放つ。バンナは右ローキックをヒットさせる。ホンマンは前蹴り。バンナは左ローキック、右ローキック、左ミドルキックを直撃。ホンマンは構えをオーソドックスにしたり、サウスポーにチェンジしたりと、蹴り技への対策をみせた。バンナは、ほとんど打ち合わずに蹴り技を主体に闘う。ホンマンは、右ストレートで攻め立て、右ハイキックを放っていった。

 2R、バンナは左フック。これはホンマンに届かない。ホンマンは左右のパンチで前進する。バンナは周りながら、ローキック。どうやら、蹴りで崩してパンチをヒットさせるのが狙いのようだ。ホンマンは左右のストレートを打ちながら前へ。バンナは強烈なミドルキックをヒットさせた。怯まずに、前へ出るホンマン。バンナは、さすがに疲れたのか攻撃が弱まっていく。ホンマンの左フックが決まると、バンナが崩れそうになる。ホンマンは、さらにヒザ蹴りでKOを狙うが、バンナはガードしてみせた。

 3R、ホンマンは勝負に出る。左フック、右フックと次々とパンチを打っていく。バンナもフックを返すが、下がってしまう。ホンマンは右、左、右とパンチを落とす。ジリジリと下がるバンナ。会場が盛り上がる。ヒザ蹴り、ストレートを打ちながら前進。ところがバンナは、左フック、右フックを勇敢にも打ちまくる。ホンマンもこれに応じ、激しい打ち合いに。時間切れまで、二人はパンチを打ち合い、勝負は判定となる。最後に勝ったのは、バンナだった。
 バンナが準決勝進出を決めた。 ■

 
comment

チェ・ホンマンのコメント

――試合の感想をお願いします。
ホンマン リングに上がったときに、体が重かったんです。終わったから仕方がないですけど、うまくいかなかった。今回は体の重さを感じたので、減量を考えています。今後の練習で10kgから20kgの減量をしたいと思います。
――バンナ選手の右フックは効いた?
ホンマン 今回の試合に限らず、緊張しているせいか、試合中は痛みを感じないんですよ。でも、バンナ選手は頑張っていましたね。目の輝きが違ったし、あらためていい選手だなと感じました。
――ダメージを受けても前に出続けていました。
ホンマン 試合の前から自分は下がらずに行こうと思っていたんです。3R辺りで体の重さを感じたので、試合が終わって初めに考えたのが減量の必要性ですね。
――今までよりも体重は多かった?
ホンマン そうです。今までで一番、増えています。会場に来て体重を量ったときに、自分でも驚きました。
――なぜ増えたのですか?
ホンマン 普段よりも6kg増えていたんです。筋肉が多くなった分だとは思いますけど…。
――サウスポーからオーソドックススタイルに戻した理由は?
ホンマン 前回まではサウスポーでした。自分としてはスイッチングできるようにしたいので、そのチャレンジという意味でも使ってみたんです。
――次に繋がる試合になりましたか。
ホンマン 来年はもっと試合をできると思うので、もっと頑張っていきたいです。
――バンナ選手はトーナメントを制覇できそうですか。
ホンマン 今回、試合をしてみて目の光が強かったですね。練習量を物語っています。バンナ選手には優勝してほしいですね。
――次の試合に関しては?
ホンマン ワカリマセン。
――ファンに一言、お願いします。
ホンマン 試合は終わったけど後悔はないです。私は若いので、機会はまだまだあるので応援して下さい。■