最高のリマッチがここに実現した。ジェロム・レ・バンナとチェ・ホンマンの初対決は、昨年のWGP開幕戦だった。2年連続で決勝トーナメント進出を狙うホンマンは、「ぜひバンナのパンチを受けてみたい」と豪語。さすがに体格差があったため、蹴りを中心に試合を組み立てていたバンナだが、“K-1番長”の意地が出て、殴り合う場面も。延長まで勝負がもつれ、僅差の判定でバンナが勝利をものにしている。「あれは壁だ。岩だ」とホンマンの肉体の強さに驚きを隠せなかったバンナ。ホンマンも「もっと殴り合いにきてくれると思った」と悔しがった。今年のWGP開幕戦は、バンナがルスラン・カラエフの代理で出場したパク・ヨンスを軽くKO。一方のホンマンは、宿敵マイティ・モーを下し、ともに勢いに乗っている。バンナは、ハシゴを使ったホンマン対策をしてきたといい、今度ばかりは、KO決着が必至か。 1R、バンナは左ストレート。ホンマンは前蹴りで、ディフェンスする。リングを大きく使って周るバンナ。ホンマンは左ストレートを放つ。バンナは右ローキックをヒットさせる。ホンマンは前蹴り。バンナは左ローキック、右ローキック、左ミドルキックを直撃。ホンマンは構えをオーソドックスにしたり、サウスポーにチェンジしたりと、蹴り技への対策をみせた。バンナは、ほとんど打ち合わずに蹴り技を主体に闘う。ホンマンは、右ストレートで攻め立て、右ハイキックを放っていった。 2R、バンナは左フック。これはホンマンに届かない。ホンマンは左右のパンチで前進する。バンナは周りながら、ローキック。どうやら、蹴りで崩してパンチをヒットさせるのが狙いのようだ。ホンマンは左右のストレートを打ちながら前へ。バンナは強烈なミドルキックをヒットさせた。怯まずに、前へ出るホンマン。バンナは、さすがに疲れたのか攻撃が弱まっていく。ホンマンの左フックが決まると、バンナが崩れそうになる。ホンマンは、さらにヒザ蹴りでKOを狙うが、バンナはガードしてみせた。 3R、ホンマンは勝負に出る。左フック、右フックと次々とパンチを打っていく。バンナもフックを返すが、下がってしまう。ホンマンは右、左、右とパンチを落とす。ジリジリと下がるバンナ。会場が盛り上がる。ヒザ蹴り、ストレートを打ちながら前進。ところがバンナは、左フック、右フックを勇敢にも打ちまくる。ホンマンもこれに応じ、激しい打ち合いに。時間切れまで、二人はパンチを打ち合い、勝負は判定となる。最後に勝ったのは、バンナだった。 バンナが準決勝進出を決めた。 ■ |