第9試合◎K-1ルール/3分3R延長2R
チェ・ホンマン
(韓国/フリー)
vs マイティ・モー ×
(U.S.A/フリー)
3R判定2-0 ※29-29、30-28、30-29
report

 早くも今年のベストファイトと呼ばれるほどの、衝撃的な試合となったのが、3月4日に日本で実現したチェ・ホンマンVSマイティ・モーだ。戦前の予想では、マイティのパンチがホンマンに届かないのではないか。ホンマンのヒザ蹴りが、前傾姿勢のマイティに当たるのではないかという声が多かった。ところが、これまで一度もKO負けをしたことがなかったホンマンが、マイティの一発をもらって撃沈してしまう。この痛恨の一撃は、韓国ファンに大きな衝撃を与えたといっていい。しかしホンマンは、「あれはケガの影響で練習ができなかったから」と、すでにショックから立ち直っているようだ。今回の再戦は、ハワイGPを制覇したばかりのマイティが完全に優位。ホンマンもゲーリー・グッドリッジを倒しているが、マイティのパンチをどう防ぐのか興味深いところ。ホンマンのリベンジは、はたして成功することができるのだろうか。
 1R、前蹴り、前蹴り、前蹴りと連続で攻めるホンマン。ジャブ、前蹴り…と続く。マイティは左ローキック、右フックと懐に入ってKOを狙う。これをホンマンは、紙一重でかわすと、会場が大きくどよめいた。マイティは右フックで飛び込みつつ、左フック、さらに右フックで倒しにかかる。このパンチがアゴをかすめるが、ホンマンは倒れない。ヒザ蹴りで迎え撃ち、自らもフックを放つなど意地をみせた。
 2R、ホンマンは前蹴り。マイティは右フック、左フック、そしてまた左フックとコンビネーションで攻める。ホンマンは顔を反らせてかわし、前蹴り。様子を見るマイティに前蹴りを連打。これをもらってマイティがその場にしゃがみ込む。ローブローを主張したが、ダウンを宣告されてしまう。マイティは右フックを放つが、ホンマンにかわされてしまった。
 3R、ホンマンはまたしても前蹴りを連打。これを崩せないマイティは、ローキックを返すが、打開策が見つからない状態か。右フック、左フックで攻めるがホンマンはガード。ホンマンは前蹴りに加えて、思い切ってフックも放っていく。近くに寄れば、まさにハンマーパンチの鉄槌で攻撃。マイティがフックを打ってくる瞬間には、距離を潰して決定打をもらわなかった。ボディが効いてきたのか、マイティは前蹴りを受け流しながらも精彩を欠いていく。得意のフックを打つが、ホンマンに直撃することができなかった。勝負はなんと判定へ。一人のジャッジがドロー。二人がホンマンを支持した。延長かとも思われたが、2−0でホンマンがリベンジを達成。決勝トーナメントへ進んだのは、ホンマンだった。
 マイクを握ったホンマンは、「これからが始まりです」と宣言。会場が熱狂の渦となった。■

 
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チェ・ホンマンのコメント

「(疲れてる?)昨日、緊張してあまり寝られなかったので、少し眠いです。マイティ選手の姿が浮かんできたからです。(試合結果に関しては)KOで勝ちたかったけど、判定にしたかった気持ちもあったんです。その通りになってよかったですよ。(マイティ選手が判定に不満を持っているが)私にはないですけど(笑)。ローブロー? 当たっていませんよ。あの判定は正当だと思うし、後悔もありません。私は常に目標のために頑張っていくつもりです。ただ、試合では緊張して体が思い通りに動けなかったですね。(再戦は?)チャンスがあればいつでも。決勝トーナメントではバンナ選手と対戦したいですね。個人的に好きな選手ですからね。(ほかの韓国人ファイターの試合は?)試合を見ていないんです。明日、見ます。決勝トーナメントでは全力で頑張ります。目標はベスト4です」■



マイティ・モーのコメント

「ローブローへの抗議? あれは、オレやほかのファイターの希望を失わせる行為だ。少し休んでからならできると言ったが、受け入れられなかった。ファンが見たにも関わらずだ。(ホンマンの印象は?)前に比べて強くなったと思うぜ。オレの攻撃でも倒れなかった。それには驚いたよ。前は倒せたパンチを何発も食らっていたのにな。(判定に関しては?)個人的にはオレが勝った試合だ。オレの方が多く攻撃して、コーナーに追い込んだのにヤツが勝ったんだからな。リマッチ? もちろん。ただ、それはソウルではなくて、違うところだ。韓国ではホンマンに有利だったからな。それに、今度はローブロー対策をしっかりしないといけない」■