第2試合◎第1リザーブファイト:K-1ルール/3分3R延長1R
× 城戸康裕
(日本/谷山ジム)
vsアルバート・クラウス
(オランダ/チーム・スーパープロ)
2R0分48秒、TKO ※ドクターストップ
report

 新鋭の城戸康裕が、初代王者超えに挑むのがこの試合のテーマといっていい。今年の2月に日本トーナメントを制し、一躍、時の人となった城戸。世界大会もベスト8まで進出する大躍進を見せたが、惜しくもキシェンコの前に力尽きた。対するクラウスは、ザンビディスを下しリザーブファイトに出場を決め、ここで完全復活の狼煙を上げたいところ。初代王者の誇りにかけて、新星の城戸には負けられないことだろう。勝負を分けるのは、城戸が狙うカウンター。はたして勝つのは勢いに乗る城戸か、それとも地力で勝るクラウスか。リザーブ権を勝ち取るのはどちらになるのだろうか。

 1R、城戸は距離をとりつつ左ローキック。クラウスもローキックを返しつつ、前へ出ていく。ジャブをついて牽制する。クラウスは左フック。城戸は右ヒザ蹴り。これをかわしたクラウスは、右フックでKOを狙う。すると城戸の右ヒザ蹴りが決まる。一瞬、動きが止まるクラウス。左ローキックをヒットさせる城戸。クラウスは前へ出て、左右のフック。左ボディブローが城戸に直撃する。城戸はフックを打って、バックブロー。クラウスは紙一重でかわす。左ボディブローがヒット。ラウンド終了間際にクラウスのヒザ蹴りが当たり、城戸は眉間から出血。
1Rジャッジ/10-10、10-10、10-10

 2R、クラウスは前蹴り。城戸は左ハイキック。クラウスへ前へ出て右フック。この攻撃に弾かれるように、城戸は左右のストレートを次々と打っていく。下がるクラウス。さらに城戸は、左右のフックで追い込んでいく。カウンターの名手が、一気に勝負へ出る。ところがクラウスのヒザ蹴りが、またもやヒット。城戸の眉間の出血がひどく、レフェリーは試合を中断。ドクターストップがかかり、クラウスのTKO勝利が決まった。■

 
comment

アルバート・クラウスのコメント

――まずは試合の感想をお願いします。
クラウス 内容には満足しているよ。この1年を振り返ってもいい試合が多かった。残念ながらトーナメントには入れなかったけどね。
――城戸選手の印象をお願いします。
クラウス 非常にいい選手だよ。彼の試合は見ていた。彼は今後、伸びていくと思う。日本のなかではトップレベルに入るくらいの選手だ。
――トーナメントの感想をお願いできますか。
クラウス マサト、サトウの試合はハードファイトだった。しかし、ダメージを受けているから、棄権した方がいいと思うよ(笑)。キシェンコ、サワーも厳しい試合だったけど、キシェンコはダメージは少なかった。彼が優勝する可能性は高いかもね。
――城戸選手は力の差がなかったとコメントしています。
クラウス 実力の差は見せたよ。オレの試合をしっかりと研究したのであれば、今回のような試合展開にはならないだろう。■


城戸康裕のコメント

――ゴングが鳴ったあとに瞼をカットしたことについてはいかがですか?
城戸 腹立たしいですね。戻りたいです、そのときに。もったいないです。威力的には効いてないし…もったいないです。もっとやりたかったですね。最後に切れるならいいけど、出してないうちに終わっちゃったんで。
――ケガの具合はいかがですか?
城戸 七針、縫いました。生まれて初めてですね。
――切れた瞬間は?
城戸 切れた瞬間に、血が口のなかに入ってきたんですよ。ダメージはなかったんですけど、コンって入って切れたと思いました。
――初代世界王者と力の差は感じましたか?
城戸 あんまり感じなかったです。2Rにラッシュしたとき、パンチもガンガン入りました。行けると思ったんですけど、その間も血が流れていて、止められる前に倒れてくれって思ってました。結局、ダメでしたけど。
――魔裟斗VS佐藤の試合の感想をお願いします。
城戸 佐藤さんはすごいです。負けたけどダウンを奪いましたからね。でも、魔裟斗さんも盛り返したところがすごいですね。追い付かないと。ただ、悔しいですけど、つまらなくはなかったみたいなんで…。見せ場があったと言ってもらえたんですよ。お客さんが喜んでくれるのが一番なんで、そう言ってもらえて救われてます。全然、体も痛くないんで、明日からでも練習を再開できそうです。
――今後の目標をお願いします。
城戸 次の試合が組まれたなら、そこで勝つことです。良かった点と悪かった点を吟味して、いい仕事をしないと。まだまだ25歳なんで、見捨てないでください(笑)。■