かねてから、セーム・シュルトへの挑戦を表明していたピーター・アーツの希望が通り、一昨年、昨年のWGP決勝戦と同じ組み合わせが開幕戦で実現した。通算の戦績は、シュルト選手の2勝1敗。数字の上ではシュルトが有利だ。だが、昨年の決勝戦はアーツが足を負傷しての敗北。あのケガがなければアーツが勝っていたという声もあり、今回はその続きの答が見られることになりそうだ。K-1ファンのために闘うと覚悟を決めているアーツが、シュルトの4連覇を阻むことができるのだろうか。 1R、開始のゴングが鳴ると、なんとアーツはシュルトへ向かって突進。一気に間合いを詰めて、右ストレート、左ストレートを放っていく。面食らったシュルトは、ロープにもたれかかって、両手を前へ出してこの攻撃を凌ごうとする。そしてヒザ蹴りを繰り出すが、アーツは強引に距離を潰す。前蹴りで攻めるシュルト。これをかわして、右ローキックを連発。シュルトがローキックにくると、今度はアーツが距離を潰してパンチを打っていく。アーツは、肉体を犠牲にしてまで、距離を潰してパンチの勝負。シュルトは自分の距離にできなかった。 2R、アーツは右ローキックを連発。シュルトもローキックで攻めると、またしてもアーツは距離を潰してパンチに出る。離れてローキック。シュルトの蹴りに合わせてパンチで勝負と、アーツの戦略は徹底していた。シュルトは前蹴りを連続で蹴っていくが、アーツは構わず前へ出て、パンチを打っていく。右のパンチがシュルトを捉える場面もあり、その度に会場が大騒ぎとなる。 3R、シュルトの素早いジャブがアーツを捉える。ヒザ蹴りも放ち、いよいよシュルトの逆襲がやってきたか。だがアーツは、それでも強引に前へ出て、右フックをヒットさせる。アーツが激しく動くたびに、客席から歓声が上がる。シュルトは右ヒザ蹴り。アーツはこれをディフェンスして、右ストレートで攻撃。クリンチの攻防が目立ったため、シュルトに注意が与えられる。アーツは最後までパンチで攻めて、判定へ。なんと2-0でアーツが、絶対王者の4連覇を止めた。■ |