第8試合◎FINAL16:K-1ルール/3分3R延長2R
× セーム・シュルト
(オランダ/正道会館)
vsピーター・アーツ
(オランダ/チーム アーツ)
3R判定2-0 ※29-30、29-30、30-30
report

かねてから、セーム・シュルトへの挑戦を表明していたピーター・アーツの希望が通り、一昨年、昨年のWGP決勝戦と同じ組み合わせが開幕戦で実現した。通算の戦績は、シュルト選手の2勝1敗。数字の上ではシュルトが有利だ。だが、昨年の決勝戦はアーツが足を負傷しての敗北。あのケガがなければアーツが勝っていたという声もあり、今回はその続きの答が見られることになりそうだ。K-1ファンのために闘うと覚悟を決めているアーツが、シュルトの4連覇を阻むことができるのだろうか。

1R、開始のゴングが鳴ると、なんとアーツはシュルトへ向かって突進。一気に間合いを詰めて、右ストレート、左ストレートを放っていく。面食らったシュルトは、ロープにもたれかかって、両手を前へ出してこの攻撃を凌ごうとする。そしてヒザ蹴りを繰り出すが、アーツは強引に距離を潰す。前蹴りで攻めるシュルト。これをかわして、右ローキックを連発。シュルトがローキックにくると、今度はアーツが距離を潰してパンチを打っていく。アーツは、肉体を犠牲にしてまで、距離を潰してパンチの勝負。シュルトは自分の距離にできなかった。

2R、アーツは右ローキックを連発。シュルトもローキックで攻めると、またしてもアーツは距離を潰してパンチに出る。離れてローキック。シュルトの蹴りに合わせてパンチで勝負と、アーツの戦略は徹底していた。シュルトは前蹴りを連続で蹴っていくが、アーツは構わず前へ出て、パンチを打っていく。右のパンチがシュルトを捉える場面もあり、その度に会場が大騒ぎとなる。

 3R、シュルトの素早いジャブがアーツを捉える。ヒザ蹴りも放ち、いよいよシュルトの逆襲がやってきたか。だがアーツは、それでも強引に前へ出て、右フックをヒットさせる。アーツが激しく動くたびに、客席から歓声が上がる。シュルトは右ヒザ蹴り。アーツはこれをディフェンスして、右ストレートで攻撃。クリンチの攻防が目立ったため、シュルトに注意が与えられる。アーツは最後までパンチで攻めて、判定へ。なんと2-0でアーツが、絶対王者の4連覇を止めた。■

 
comment

ピーター・アーツのコメント

――試合の感想をお願いします。
アーツ もちろん嬉しいよ。熱い闘いだったし、いい経験になった。あれだけ身長のある選手と闘うのは大変だ。かなりの準備をしたよ。なにしろ、少しでも隙を見せればパンチを打ってくるからね。
――どのような戦略を立てていたのでしょう。
アーツ いろいろと練習したよ。オレが行動派なら、シュルトは知能派だからね。
――具体的には?
アーツ 大きい選手の対策としては、リングを回りながらチャンスを掴むってことだ。
――抽選会でバダ・ハリ選手との試合を選んだ理由を教えてください。
アーツ 彼となら素晴らしい試合になる。それが理由だ。■


セーム・シュルトのコメント

――試合の感想をお願いします。
シュルト もっと頑張っておけばよかったよ。残念だ。ピーターのプレッシャーを跳ね除けなければいけなかった…。
――ということは、判定には納得している?
シュルト なにも言うことはない。すでに判定は出ているし、ひっくり返るわけじゃないからね。ただ、ピーターはクリンチも多かったが、それは判定に影響しなかった。今回はファンもレフェリーも、彼を応援していたように感じたよ。
――決勝大会にリザーバーとして出場するチャンスは残っています。
シュルト リザーバーとしてのチャンスはほしい。誰が相手でも勝ち抜く自信がある。相手は誰でもいいよ。
――韓国のファンに一言、お願いします。
シュルト 私をサポートしてくれてありがとう。また韓国で試合をしたいと思っている。待っていてくれ。■