昨年、ジェロム・レ・バンナから日本人初の勝利を奪った澤屋敷純一だが、ここ最近はピーター・アーツ、武蔵、カタリン・モロサヌと3戦連続のKO負けを喫してしまっている。WGP開幕戦の出場を辞退した方がいいのでは、という批判が高まるなか、本人は「こんなチャンスはもうないかもしれない」と巻き返しを図るつもりのようだ。しかも、今回の開幕戦の相手はバンナ。バンナは、「あのときのオレは、運がなかった。糞を踏んだようなもの。だから今回は、糞を踏まないようにするよ」とジョークを交えて本音を語った。バンナのリベンジなるのか、それとも澤屋敷が復活をアピールできるのか勝負の試合となる。 やや緊張気味に入場する澤屋敷。一方のバンナは、かなり険しい顔で登場する。会場のバンナ人気は凄まじく、澤屋敷へはブーイングも起こってしまった。 1R、ゴングとともに前へ出るバンナは、ワンツー。さらに右、左とストレートで押していく。澤屋敷は回りながら、攻撃を流す。バンナは無理に追いかけずに左ハイキック。澤屋敷は左フック、回りながら右ローキック。バンナはローキックを蹴りつつ、左のパンチへつなげる。危険なパンチが、次々と澤屋敷に襲いかかる。回って逃げようとするが、ときおりバンナの左ストレートが入り、崩れそうになった。 2R、バンナは右フックから左ストレートへつなげる。澤屋敷は自分のペースを守りつつ、ローキック。得意のフックを放つが、バンナのガードは堅い。バンナは右ストレートをヒットさせる。回る澤屋敷。バンナは左ストレート。澤屋敷は右ローキックを連続で蹴るが、バンナを崩せない。バンナは蹴りから崩すように心がけているのか、蹴りとパンチのコンビネーションが目立つ。そして、ラウンド終了の直前、右ハイキックが軽く当たり、右フックが直撃。ついに澤屋敷がダウンだ。立ち上がった澤屋敷。ラウンド終了のゴングに救われた。 3R、左ミドルキックを蹴るバンナ。追い込みつつも、慎重だ。澤屋敷は回りながら、ローキック。ときおり、澤屋敷のフックが入り、前回の再現を予感させる。だがバンナは、フックを小さく打つ。蹴りで崩してフックを放つ攻撃で、澤屋敷は何度も倒れそうになる。それでも、澤屋敷のパンチは鋭いものがあり、バンナの動きが止まる場面もあった。結局、ダウンを奪われた澤屋敷の判定負け。バンナがリベンジに成功し、決勝大会へ進出した。■ |