第2試合◎FINAL16:K-1ルール/3分3R延長2R
ジェロム・レ・バンナ
(フランス/Le Banner X tream Team)
vs澤屋敷純一 ×
(日本/チームドラゴン)
3R判定3-0 ※30-26、30-27、30-28。2R、澤屋敷は左フックでダウン1
report

昨年、ジェロム・レ・バンナから日本人初の勝利を奪った澤屋敷純一だが、ここ最近はピーター・アーツ、武蔵、カタリン・モロサヌと3戦連続のKO負けを喫してしまっている。WGP開幕戦の出場を辞退した方がいいのでは、という批判が高まるなか、本人は「こんなチャンスはもうないかもしれない」と巻き返しを図るつもりのようだ。しかも、今回の開幕戦の相手はバンナ。バンナは、「あのときのオレは、運がなかった。糞を踏んだようなもの。だから今回は、糞を踏まないようにするよ」とジョークを交えて本音を語った。バンナのリベンジなるのか、それとも澤屋敷が復活をアピールできるのか勝負の試合となる。

 やや緊張気味に入場する澤屋敷。一方のバンナは、かなり険しい顔で登場する。会場のバンナ人気は凄まじく、澤屋敷へはブーイングも起こってしまった。
 1R、ゴングとともに前へ出るバンナは、ワンツー。さらに右、左とストレートで押していく。澤屋敷は回りながら、攻撃を流す。バンナは無理に追いかけずに左ハイキック。澤屋敷は左フック、回りながら右ローキック。バンナはローキックを蹴りつつ、左のパンチへつなげる。危険なパンチが、次々と澤屋敷に襲いかかる。回って逃げようとするが、ときおりバンナの左ストレートが入り、崩れそうになった。

 2R、バンナは右フックから左ストレートへつなげる。澤屋敷は自分のペースを守りつつ、ローキック。得意のフックを放つが、バンナのガードは堅い。バンナは右ストレートをヒットさせる。回る澤屋敷。バンナは左ストレート。澤屋敷は右ローキックを連続で蹴るが、バンナを崩せない。バンナは蹴りから崩すように心がけているのか、蹴りとパンチのコンビネーションが目立つ。そして、ラウンド終了の直前、右ハイキックが軽く当たり、右フックが直撃。ついに澤屋敷がダウンだ。立ち上がった澤屋敷。ラウンド終了のゴングに救われた。

 3R、左ミドルキックを蹴るバンナ。追い込みつつも、慎重だ。澤屋敷は回りながら、ローキック。ときおり、澤屋敷のフックが入り、前回の再現を予感させる。だがバンナは、フックを小さく打つ。蹴りで崩してフックを放つ攻撃で、澤屋敷は何度も倒れそうになる。それでも、澤屋敷のパンチは鋭いものがあり、バンナの動きが止まる場面もあった。結局、ダウンを奪われた澤屋敷の判定負け。バンナがリベンジに成功し、決勝大会へ進出した。■

 
comment

ジェロム・レ・バンナのコメント

――試合の感想をお願いします。
バンナ すまない、残念な試合だった…。
――それはどうしてですか?
バンナ 素晴らしい試合を見せることができなかった。面白い試合ではなかった。だから、すまない…。
――前回の試合との違いは、どういった部分だったのでしょう。
バンナ オレが圧倒的に試合を支配した。ヤツは減量のせいか、いい調子じゃなかったみたいだな。ただ、逃げる選手を相手にするのは苦手だから、苦労はしたがな。
――試合中、ノーガードになるシーンもありました。
バンナ ノーガードにしたのは、相手があまり積極的に来なかったからだ。かかって来い、という意味で挑発したんだ。試合が退屈になる感じがして、気分が悪かったな。
――なぜ『アフリクション』のTシャツを着ているのですか?
バンナ 来年の2月にアメリカの『アフリクション』に出る準備を進めている。チームやFEGがOKすれば、試合に出ることになるだろうな。■


澤屋敷純一のコメント

――今回の敗因はなんでしょう?
澤屋敷 …実力です。
――リマッチに向けて、どんな準備をしてきましたか?
澤屋敷 今日に向けて、いろいろとしてきました。
――その練習は活かせましたか?
澤屋敷 どうでしょうね…いまいち…ですね。
――バンナ選手の蹴りの威力はいかがでしたか。
澤屋敷 …強いと思います。
――今後の展望をお願いします。
澤屋敷 練習してもう一回、この場所に立ちたいです。
――バンナ選手とリマッチは?
澤屋敷 勘弁してください(苦笑)。
――今回の作戦を教えてもらえますか?
澤屋敷 左回りです。でも、相手の圧力が強かったですね。
――ダメージはありますか?
澤屋敷 ええ、いろいろあります。
――バンナ選手は去年よりも進化していたと感じましたか?
澤屋敷 そうでしょうね。■