第1試合◎FINAL16:K-1ルール/3分3R延長2R
ルスラン・カラエフ
(ASIA GP王者/ロシア/フリー)
vsハリッド“ディ・ファウスト” ×
(推薦/ドイツ/ゴールデン・グローリー)
2R2分30秒、KO ※パンチ連打、3ノックダウン。
1R、ルスランは左フックでダウン1。2R、ハリッドは左フック、右アッパーでダウン2
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 ハリッド“ディ・ファウスト”は、ファン投票でのギリギリの出場。ハリッドは、グラウベやピチュクノフに連敗。最近は、かつての勢いがなくなっているが、ここが正念場となりそうだ。逆にルスラン・カラエフは、しばらく試合から遠ざかっていたが、ASIA GPで全試合KO勝ちの優勝。完全復活をはたした。二人ともスピードがあり、なおかつパンチも得意としているため、スリリングな内容になることだろう。

 1R、ゴングが鳴るとルスランはハリッドを急襲。ワンツー、左ハイキック、左右のフックと回転の早い攻撃が襲いかかる。ハリッドはガードを固めつつ、右フック。構わずルスランは、左右のフックを止めない。ハリッドは防戦一方。ルスランは、フックだけではなく、アッパー、バックキックと多彩な攻撃で攻めまくる。ところが、一瞬の隙をついたハリッドが左フックでダウンを奪う。なんと一方的に攻めていたはずのルスランが、マットに倒れてしまう。立ち上がったルスランにハリッドは、右のパンチで止めを刺しにいく。しかしルスランは、左フックをヒットさせる。さらにアッパーを直撃させて、どちらが勝者になるのかまったく分からなくなる。

 2R、ハリッドはローキックでルスランの足から崩しにかかる。ルスランは、右フック、ヒザ蹴り、右フックとダウンを奪い返しにいく。ハリッドは冷静にガードして、右フックで追い討ちをかける。右ローキック、右フック、右ローキックと確実にルスランにダメージを与えていった。ところが、ルスランの捨て身の攻撃が実を結ぶ。右アッパーがハリッドのアゴを勝ち上げ、フックが直撃。倒れるハリッド。ルスランの速射砲が火を噴く。左右のフックが崩していき、右ストレートでハリッドがダウン。立ち上がったハリッドに、左右のパンチを連打。レフェリーが試合を止めた。決勝トーナメントに進んだのは、ルスランだ。■

 
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ルスラン・カラエフのコメント

――今の心境はいかがですか?
ルスラン 大きな応援をありがとう。会場全体が私を応援してくれました。そのサポートのおかげで、勝つことができました。
――ハリッド戦の戦略を教えてください。
ルスラン 正直、あまり時間がなくて準備はできなかったんです。ただ、少しは彼に対して対策を考えました。なぜなら、相手が素晴らしいパンチを打つことは分かっていましたからね。
――ダウンを奪われた瞬間、敗北も考えた?
ルスラン 確かにダウンを奪われたけど、余計にやるぞ!!という気持ちが沸いてきました。そして、その通りになりましたね。
――ルスラン選手は危ない試合が多いですが、それは弱点なのでしょうか?
ルスラン そうですか? 私は確かに積極的に試合を進めて疲れてしまったこともあります。でも、そのまま闘って負けたことは、私の記憶にありません。私が負けるのはディフェンスの問題ですよ。スタミナが切れての敗北ではありません。
――先日、お母さんが亡くなったことは影響しましたか?
ルスラン リングに上がる前に…母親を思い出しました。そして…絶対に勝とうと思いました…(涙)。
――次の試合では誰と闘いたいですか?
ルスラン 誰でもいいです。私は誰が相手でも、準備をしっかりとするだけです。■


ハリッド“ディ・ファウスト”のコメント

――敗因はなんでしょう?
ハリッド 実は準備期間が少なくて…2週間前に事故に遭ってしまったんです。8日間しか練習ができませんでした。この競技は、多く練習をした選手が結果を残せるものです。とてもガッカリしていますが、結果は結果です。この結果は妥当だと思っています。ただ、私のチームのメンバーがベスト8に残ったので、今後は彼らをサポートしたいですね。
――試合のダメージはありますか?
ハリッド まったくありませんよ。■