第10試合◎K-1 USA GP トーナメント決勝戦:K-1ルール/3分3R延長2R
× ランディ・キム
(韓国/フリー)
vsグーカン・サキ
(トルコ/チーム・レベル)
2R1分39秒、KO ※左フック。ランディは左フックでダウン1あり
report

 WGP開幕戦への出場を自力で決める最後のチャンスとなるUSAGPは、マイティ・モーのまさかの棄権もあり、波乱のままファイナルを迎えることとなった。決勝まで残ったのは、リザーバーから奇跡の勝ち上がりのあったランディ・キム。ランディは、これまでK-1での勝ち星がゼロ。今回も、地元選手の噛ませ犬的な存在になりそうな立場にあった。しかし、ハワイのヴィリトーヌを倒して初白星を挙げると、準決勝のウェスリィ“キャベツ”コレイラをもKO。決勝戦へ進出したのだった。ここで待ち受けていたのは、ゴールデングローリーのグーカン・サキ。バダ・ハリのようなスピードと破壊力を持ち、盟友のハリッド欠場に繰り上がりとして気合いが入りまくっていた。最後の切符を手にするのはどちらか。運命のゴングが鳴らされた。
 1R、サキは左ローキックを堅実にヒットしていく。ランディはジャブをついて、右のパンチを繰り出した。経験・実績では開きのある二人だが、ランディは自分の力を信じているのだろう。思い切り放つ拳からは、決意が感じられた。サキは、ランディの一発を警戒しつつ、スピードで勝負する。左ハイキック、バックブロー、右ローキックと閃光のような攻撃がランディに襲いかかる。ランディは、ハイキックをもらわないようにガードを上げているのが精一杯か。ローキックを何度ももらってしまった。ところがランディは、これまで見せたことのないカカト落としまで繰り出し、気持ちで闘う姿勢をみせた。ローキックを山のようにもらうランディだが、崩れなかった。
 2R、左ストレートで攻撃するサキ。待っていたら負けると思ったのか、ランディは積極的にパンチを打っていく。だが、左フックがカウンターで入り、ついにランディがダウン。前のめりに倒れ、これで終わりかと思われた。しかし、立ち上がったランディは、右パンチを打っていく。気合いを入れ直し、勇敢に向かっていく。サキは左フック、ローキック、左ボディブローを確実に当てていく、ランディは右フックばかりか、バックブローまで見せてサキを驚かせる。玉砕覚悟でサキに突っ込んでいったランディは、左フックをもらい、二回目のダウン。さすがにこれはダメージが大きかったようでKO負けとなったが、ランディの健闘も光った試合となった。
 ハリッドの悔しさをサキが晴らす形に終わったUSAGP。全試合KO決着で、サキが強さを見せつけた。WGP開幕戦はバダ・ハリを筆頭に、新世代が活躍することになりそうだ。■

 
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グーカン・サキのコメント

――優勝、おめでとうございます。
サキ ありがとう。
――優勝しての心境をお願いします。
サキ すごく気持ちいいですね。このために、ちゃんとトレーニングをしてきましたから。
――チームメイト、ハリッド“ディ・ファウスト”選手の代わりとして、リザーブファイトから本戦に出場しました。
サキ チームメイトも応援してくれたし、ボクが勝って喜んでいます。ハリッドも喜んでくれるでしょうし、ボク自身も嬉しいですよ。
――1回戦は緊張しているように見えました。
サキ 試合に入るときは緊張するものです。それは普通のことですよ。勝ちたい気持ちでリングに入りました。
――いつからエンジンがかかりましたか?
サキ 最初からエンジンはかかっていましたよ。最初から最後まで一緒です。
――WGP開幕戦の切符を掴みましたが、対戦を希望する選手はいますか?
サキ 誰でもいいですよ。ボンヤスキー、フェイトーザ…レコでもね(笑)。ジマーマン? 彼とは毎日、練習で対戦しています。もう、つまんないんですよ(笑)。■


ランディ・キムのコメント

――準優勝という結果には満足していますか。
ランディ いろいろ考えましたけど、それなりに満足はしています。
――K-1初勝利を挙げ、そのままの勢いで決勝戦まで勝ち上がりました。
ランディ 日頃、一生懸命に練習を頑張っているので、天の助けだったと思いますよ(微笑)。
――ファイトスタイルも以前に比べて、変化が見られました。
ランディ 前回の試合からしばらく時間があったので、アメリカで練習してきました。そこで精神も肉体も鍛えてきました。それが試合に出たのだと思います。
――かなり自信になったのでは?
ランディ もちろん自信も付きましたけど、それと同じように課題にも気付けました。とても貴重な経験でした。
――今後、対戦してみたい相手はいますか?
ランディ 私はまだ、K-1を初めて間もないです。K-1の選手は、みなさんが才能を持っています。みなさんを尊敬しているので、一人を目標にはできませんね。
――今後の目標はベスト16ですか?
ランディ 格闘技を初めて、強い選手がいっぱいいることを知りました。今後は、自分と闘いながら上を目指したいです。■