“GOD”レミー・ボンヤスキーが、台湾大会のメインイベントに登場。さすがに台湾でも有名なようで、その人気は絶大だ。レミー様が、台湾のファンを釘付けにするのだろうか。そのレミーに襲い掛かるのは、総合格闘家として有名なロシアのヴォルク・アターエフだ。アターエフは、PRIDEやリングスに参戦したこともあり、散打出身。打撃の破壊力は定評があり、かつては対戦相手の頭蓋骨を割ったことがあるという噂まで流れた。レミーといえども、一発でももらえば万事休すだろう。
　１R、アターエフは強烈な左ストレートでレミーを驚かせる。さらに右ローキックを直撃させて、打撃ができることを証明した。それでもレミーは、冷静に右ローキックをコツコツと当てていく。アターエフは、右フックをダブルで放つ。レミーは、しっかりとディフェンス。レミーは、フックから右ローキックをヒットさせる。アターエフの鋭いバックキックが、レミーの頭をかすめる。まともに当たれば危険だ。さらにアターエフは、バックキック。これをかわしたレミーは、右ハイキック、右ローキックを確実に当てて、徐々にエンジンをかけていく。アターエフは右フックを打っていくが、レミーに見切られてきているようだ。
　２R、レミーの強烈なコンビネーションが出てくる。これまではローキックを単発で蹴っていたが、細かいパンチの連打からのローキックが直撃する。攻撃が見えないのか、動きが止まるアターエフ。右フックを放っていくアターエフだが、レミーのコンビネーションは複雑だ。パンチのラッシュを打つと見せかけたローキックは、さすがのアターエフも厳しいか。ここに飛びヒザ蹴りが加わってくるため、なかなか攻撃ができないようだ。タフなアターエフも、レミーの緻密な攻撃の前には、劣勢になっていく。
　３R、完全に試合を掌握したのか、レミーの攻撃の回転力が上がっていく。パンチの連打、ローキックの素早さにアターエフは反応できない。何度もローキックをもらい、アターエフは反撃ができなくなっている。右のパンチを飛ばしても、レミーの攻撃が3倍で返ってくる。そして、右飛びヒザ蹴りがアターエフのアゴに直撃。ついに崩れるアターエフ。このままKOとなり、レミーがK-１トップファイターとしてのプライドを見せた。マイクを握ったレミーは、「I LOVE YOU台湾!!」と叫び、拍手喝采を浴びた。■

レミー・ボンヤスキーのコメント

――MVPという声がありますが。
レミー　そうなの？　とても嬉しいね。１、２Rは、タイミングが掴めなくて、３Rが始まる前にトレーナーに怒られたよ。お前が倒す場面を見るために、お客さんが集まっているんだからって。それで何とかしようとして、倒すことができた。
――初めての台湾は、いかがでしたか？
レミー　とてもいい場所で、いい人たちばかりだね。
――アターエフ選手は、いかがでしたか？
レミー　調べてみても、まったく情報がなくて困ったよ。手元にあったのは、20秒足らずの試合映像だけで、このレベルになると厳しいね。
――相手の攻撃で驚いたことは。
レミー　バックキックだね。後頭部に当たって、ビックリしたよ。
――ベスト16の試合へ向けては。
レミー　2カ月間、みっちりと練習するよ。みんなで、ボクを応援してほしいね。絶対に損はさせないよ！■

ヴォルク・アターエフのコメント

――K-1に出て、どんな感想を持ちましたか？
アターエフ　とても大きい大会で、レベルが高く、満足しているよ。出られたこともそうだし、お客さんが満足していることが分かったので、嬉しかったね。
――試合はいかがでしたか？
アターエフ　いい試合だったと思う。ボクができることはやったからね。でも、練習の時間が足りなかった。しかも相手は、レミーですからね。今回は、これが精一杯だったけど、今度はいい面を見せたいよ。
――ダメージは。
アターエフ　足が痛いだけ。試合は、3Rに倒れてしまってKOになったけど、あれは疲れきっていたから。足がパンパンになって動けなかったし、イニシアティブは相手にあった。これ以上、闘っても無駄だと思ったので、ああいう形になった。今度は、いい面が出せるようにしたい。今ではないですけど。
――レミー選手は、後ろ回し蹴りに驚いたみたいです。
アターエフ　パンチは他の選手よりも強いと思う。足は背の高い選手に対しては、意味のないことだと思った。でも、回し蹴りは死角から当てることができるので、驚けばいいと思って出してみた。
――何か驚いたことはありましたか。
アターエフ　第１にK-1は組織力があって、レベルが高いことに驚いたね。それに、いいファイターも揃っている。あとは、レミーは一流の選手だし、他にもトップレベルの選手の試合を何年も見ているよ。いつか彼らと闘いたいと思っていたので、嬉しいよ。レミーの動きは、パンチ、蹴り、すべて見えていた。足りなかったのは、自分が対抗する技を出せなかったこと。ディフェンスばかりに気を取られてしまった。もう一回、K-1のリングに呼んでくれれば、いい面を出せると思うので、ぜひお願いしたいね。■