第9試合/FINAL8/K-1ルール/3分3R延長1R
佐藤嘉洋
(日本/フルキャスト/名古屋JKファクトリー)
vsブアカーオ・ポー.プラムック ×
(タイ/ポー.プラムックジム)
3R1分50秒、KO ※右ストレート
report

 世界FINAL8で魔裟斗との試合を希望していた佐藤嘉洋は、念願が叶わず、ブアカーオ・ポー.プラムックと闘うことになった。この対決は、三回目の顔合わせ。一回目は、佐藤がブアカーオのパンチで倒されてしまってのKO負け。二回目の対戦は、延長戦までもつれる接戦。ここでブアカーオが、強引にパンチで攻めて勝利を得ることになった。過去2戦を振り返ると佐藤が不利ともいえるが、実力差が接近しているのは間違いない。佐藤はFINAL16で難敵のムラット・ディレッキーを撃破。ブアカーオは、クラウスに辛勝。この勢いは、どこまでこの試合に影響するのだろうか。生き残った選手が、魔裟斗VSドラゴの勝者と闘うだけに、注目の一戦だ。
 1R、佐藤は右ローキックで攻撃。インロー、右ローキックとリズムよく蹴って行く。ブアカーオは、左ストレート。佐藤は、右ローキック、ヒザ蹴りで迎え撃つ。ブアカーオは、右ローキック、前蹴り。佐藤の右ローキックがいい。ブアカーオは、ローキックを返す。インロー、右ローキックを蹴るブアカーオは、さらに鋭い右フック、返しの左フックを放つ。佐藤は、右ローキックだけではなく、左のローキックで奥足を狙う。ブアカーオはパンチでKOを狙っているようだ。
 2R、ここでも佐藤が積極的に攻撃。左ヒザ蹴り、左ローキックをヒットさせる。ブアカーオは、強引に右ストレート。これをガードした佐藤は、右ストレート、ワンツーと負けていない。ブアカーオは左フック、右フックと珍しく強引にパンチで勝負する。迎え撃つ佐藤は、右アッパーをヒットさせる。さらに右アッパーを打つ佐藤。だがブアカーオは、右ストレートを直撃させる。これに耐える佐藤。さらにブアカーオは、右フックをヒットさせる。ンブアカーオは左フック。佐藤も左フック。負けずにブアカーオも左フックだ。
 3R、佐藤は左フック、右ローキック、右ストレートで最後の勝負をかける。ブアカーオは、左ストレート。佐藤は怯まずに右ストレート、左フックと続ける。右ローキックをヒットさせて、右アッパーを決めた。ブアカーオは、ローキックを繰り出し、左ストレート。前へ出る両者。このとき、佐藤のヒザ蹴りがグサリ。一瞬、ブアカーオの動きが止まる。ヒザ蹴り、左フックを打っていくブアカーオ。佐藤は右ストレート、ヒザ蹴り。そして、ブアカーオのガードが下がった瞬間、佐藤の右フックがクリーンヒット。前のめりに倒れるブアカーオ。壮絶なKOで、なんと佐藤が勝利。絶対王者が、まさかの番狂わせで消えてしまった。
 佐藤は、「愛を知る県、愛知県から来ました佐藤嘉洋です。2年前から参戦して、ベスト8の壁は超えられませんでした。今年こそ、やるから。俺は幸せにしたい人がいる。もう一つ、恩返しをしたい人がいる。神様、優勝させてください」と涙ながらに語った。■

 
comment

佐藤嘉洋のコメント

――勝因はなんでしょうか?
佐藤 作戦通りです。それにツイてましたね。今回はとにかく、運がよかったです。
――どんな作戦を考えていたのですか?
佐藤 1Rに様子見て、3Rに勝負する。前回も同じ作戦だったんですけど、3Rに勝負をかけられなくて…。そのための練習を積んできました
――効いた感触があった攻撃は?
佐藤 パンチもローキックも、全部ですね。最近、ずっと練習してきて、拳と脛が硬くなったんです。それに右ヒザもうまく入って、ブアカーオの動きが止まりました。僕も、ようやくK-1ルールに慣れてきたと思います。
――ツイている、との発言がとても印象的ですね。
佐藤 言葉に出して言うと、本当にツイてくるんですよ。それが積み重なると、奇跡になるんです。それが最近、もらったCDの歌詞に入っていました。それに、本当に奇跡は起きましたしね。ブアカーオは僕のスタイルの中で、一番の強豪だったんで。
――倒した瞬間は、どのような感覚でしたか?
佐藤 あっ倒れた、みたいな(笑)。タイ人は顔に出さないんですからね。でも、僕はブアカーオに負け越していて、1勝2敗ですからね。だから、さっきブアカーオに五分に戻すから、と声をかけました。
――ウェイトトレーニングの成果はありましたか。
佐藤 効果ありましたね。生まれて初めてやったんですけど、打撃の感触が違いますね。技の圧力が変わってきています。僕はまだまだ強くなりますよ。魔裟斗戦も真っ向勝負で行きます。10月は盛り上げますよ。
――家族は会場に来ていたのですか?
佐藤 母親と嫁と伯母さんが来ていました。父は喫茶店で見ているでしょうね。
――ファイトマネーの使い道は?
佐藤 家族になにか買ってあげたいです。今回のファイトマネーとは違いますけど、優勝賞金で実家の喫茶店を改装したいですね。でも、今年は優勝するんで、もう改装に向けて動き出そうかな(笑)。
――魔裟斗選手の試合を見ての感想をお願いします。
佐藤 バランスがいいですよね。まさにK-1をやるために生まれてきたような選手です。でも、僕は魔裟斗選手じゃないんで。
――“3度目の正直”の原動力はなんでしょうか?
佐藤 自分の先生を信じて、いい練習ができたことですね。
――さらにレベルアップを考えている部分はどこですか。
佐藤 一発を重くして、手数を多くすることです。それに、減量もそこまできつくないんで、まだまだ筋肉量は増やせますね。僕は家族を幸せにしたいし、会長に恩返ししたいんです。会長は金で動かない人なんで、世界一のトレーナーにしてあげたいんですよ。■


ブアカーオ・ポー.プラムックのコメント

――この結果をどのように受け止めていますか?
ブアカーオ 私のムエタイ人生で、初のKO負けでした。それを踏まえて、今後は悪い部分を修正したいです。
――敗因はどういった部分でしょうか。
ブアカーオ 原因というのは闘い方全体にあると思います。最後は真っ暗で、なにも見えていない状態でした。覚えていないですね。
――佐藤選手の攻撃でなにが一番、効きましたか?
ブアカーオ 分かりません。ずっと打ち合い、蹴り合いが続いて、最後は私の力が足りなかったということです。
――魔裟斗VS佐藤の予想は?
ブアカーオ いい練習の成果を出せた選手が勝てると思います。■