MAX史上初、2回目の世界王者になったアンディ・サワー。今年のサワーの目標は、これも前人未到の連覇を狙っているという。前回のFINAL16では、マイク・ザンビディスとの激しい試合に苦しみながらも、延長ラウンドに突入するとハイキックでダウンを奪ってのKO勝ち。大一番になると、さすがの底力を発揮した。対するウォーレン・スティーブルマンズは、FINAL16で、初参戦ながらもサロ“ザ・シシリアンドン”プレスティを左ボディブローでKO。レベルの高いMAXヨーロッパ予選を勝ち抜いたことは、フロックではなかったことを証明した。オランダ大会では、ドラゴとほぼ互角に闘い、南アフリカのファイターとして注目を集めている。サワー有利の声もあるが、ウォーレンの一発は十分に逆転の可能性がある。
　１R、ウォーレンは右ローキックを連発。ジャブをついて右フックで攻撃。スロースターターのサワーは、前蹴りで様子を見ている。ウォーレンは右ローキック、ワンツー、左ボディと強烈な攻撃が続く。左のフックがとくにいい。右フック、ワンツーとサワーを追い込んでいく。ウォーレンは、いいリズムでパンチを放つ。だが、ラウンド終了間際、サワーのヒザ蹴りが入り、ウォーレンはグラついてしまう。このラウンドは、イーブンか。
　２R、最初に仕掛けたのはやはりウォーレンだ。左アッパー、ワンツー、右フックとサワーを倒しにかかる。サワーは、冷静にガードすると、前蹴り、ミドルキック、ヒザ蹴りと的確に返していく。ウォーレンは、ワンツー、右ボディでサワーを崩しに行く。だが、サワーもワンツー、左ボディと得意のコンビネーションで優位に立つ。さすがはチャンピオンというところか。サワーが巻き返すなか、ラウンドが終了した。
　３R、後半に入ってエンジンがかかってきたサワーは、ローキック、左ハイキックと蹴りが走り始める。ウォーレンは、少しも怯まず前へ出て右、左、右とパンチをまとめる。コーナーへ追い詰めるが、なんとサワーのカウンターの右ストレートがヒット。グラリと下がるウォーレン。チャンスとみたサワーが、一気にラッシュ。ローキック、ハイキック、左右のフックと地獄の風車が回転する。だがウォーレンも、下がらずに勝負。サワーがやや優勢のまま、終了のゴング。判定で勝ったのは、サワー。サワーがFINA大会への進出を決めた。準決勝戦の対戦相手は、キシェンコだ。■

アンディ・サワーのコメント

――右足をアイシングしていますが。
サワー　ローキックを出して、相手にブロックされて痛めたんだ。大したことはないよ。
――スティーブルマンズ選手と闘っての印象を願いします。
サワー　彼はK-1に参戦して、まだ間もない。とにかく一発に掴まらないように試合をしたんだ。最終的には、ボクの方が技術的にうまかったということが証明できたと思う。
――胸にタトゥーが増えましたね。
サワー　その質問を待っていたよ!!　新しく生まれた息子・ケアノの名前をタトゥーにしたんだ。これは2週間前に彫ったものさ。実はザンビディス戦の前に入れようと思ったんだけど、いろいろあってね。
――MAX世界FINAL4ではキシェンコ選手との対戦が決定しました。
サワー　彼の試合はバックステージで見ていた。まあ、今は自分が勝ったことで落ち着いているだけだよ。まだ対策を考える段階じゃないかな。
――K-1で60kg級がスタートしましたが、推薦したい選手はメジロジムにいますか？
サワー　メジロジムにはたくさんいるよ。たくさんの選手が60kg級に送り込まれるだろうね。それに自分のチームにも、ニコ・フェレイジェンという選手がいる。彼の素質も素晴らしいよ。
――前人未到の連覇に向けての意気込みをお願いします。
サワー　王者までの道程は長い。でも、今日は一つの障害を乗り越えることが出来た。今年もいい感じで、王者を狙えると思うよ。■

ウォーレン・スティーブルマンズのコメント

――試合の感想をお願いします。
ウォーレン　試合には負けたけど、王者のサワーを相手によくやったと思うよ。オレは負けても失うものはなかったけど、振り返るともっと手数を出せたはずなんだよね。でも、オレはまだまだK-１を学んでいる過程にいる。今回は負けたけど満足しているよ。
――サワー選手に対して、どのような作戦で臨んだのでしょうか。
ウォーレン　戦術と言えるかは分からないけど…サワーに対してプレッシャーをかけて、動いて試合をしようと思っていた。でも、途中でスタミナが切れてしまったな～。
――サワー選手との実力差は感じましたか？
ウォーレン　闘ってみて経験の差を感じたよ。技術的な部分で補おうとしたんだけど、サワーの方がスマートな闘いをしたね。そこで差が付いたと思うね。■