第3試合:FINAL8/K-1ルール/3分3R延長1R
× 城戸康裕
(日本/谷山ジム)
vsアルトゥール・キシェンコ
(ウクライナ/キャプテン オデッサ)
3R判定3-0 ※28-29、28-30、28-30
report

 決勝ラウンドへ進むための大きな関門、MAX世界FINAL8がスタートする。注目されるのは、今年の日本大会を制覇して、FINAL16ではイム・チビンをヒザ蹴り一発で沈めた城戸康裕。これまで城戸は、MAXのオープニングファイトを中心に闘ってきたが、ことごとく撃破し、頭角を現してきた。叩き上げらしく、その実力は本物だ。組み合わせ抽選会では、「顔がいいから選んだ」とビックリ発言でアルトゥール・キシェンコを怒らせている。そのキシェンコは、昨年は世界大会でイ・スファン、マイク・ザンビディスを倒して世界3位に食い込んだ。甘いルックスだけではなく、強烈なボディブローを中心にした攻撃的なスタイルは、“美しき死神”というニックネームがピッタリだろう。FINALへ進むのは、どちらになるのか。
 コシノジュンコのコスチュームで入場した城戸。気合い十分で、キシェンコ潰しに出る。
 1R、強烈な右ローキックを3回、ヒットさせる城戸。右ヒザ蹴りから左フック。さらに右ローキックでキシェンコにダメージを与える。キシェンコは、右から左フック。これをガードした城戸は、右のローキックだけではなく左ローキックをヒットさせる。キシェンコは、左右のフックからヒザ蹴り。城戸も右ヒザ蹴り。キシェンコはパンチの連打からローキックで攻める。城戸は左ハイキック。キシェンコは必死にガード。そして城戸は、右ローキックを連発した。
 2R、城戸は右ローキック、前蹴り、右ローキックと連続で攻撃。ここまでは大人しかったキシェンコだが、ローキックでダメージが蓄積されてきたのか、一気に反撃に出る。強烈な左ボディブロー。右フック、左フックと次々とパンチが城戸に襲いかかる。城戸はパンチに合わせてバックブロー。だが、これは不発に終わってしまう。キシェンコは、右ストレート、左ボディブローで潰しにかかる。城戸は防戦一方となる。城戸は右ローキックを返すが、キシェンコの動きを止められず。
 3R、キシェンコは右ローキックを連発。城戸は動きが止まってしまう。インロー、右ローキックと強烈な蹴りが城戸に襲いかかる。城戸はローキックで反撃。ハイキックでKOを狙うが、キシェンコはガードする。キシェンコのローキックが止まらない。城戸のフックやハイキックが飛んでくるが、まったく怯まない。キシェンコのボディブロー、ローキックで城戸がピンチに。だが、城戸も倒れない。お互いにKOを狙って蹴りまくる。勝負は判定までもつれ、3-0でキシェンコが勝者に。FINALへ進出したのはキシェンコだ。
結果は判定となったが、見所の多い勝負だった。■

 
comment

アルトゥール・キシェンコのコメント

――試合の感想をお願いします。
キシェンコ 気分は素晴らしいですよ。ベスト4ですからね。
――挑発を繰り返していた城戸選手を倒して、気分はスッキリしていますか?
キシェンコ そうですね。ボクはリングで見せると言ったでしょ? ボクがどれだけのハートを持っているかを証明できたと思います。記者会見で言ったことを実行できてよかったですね。
――ローキックで攻める作戦だったのですか?
キシェンコ 彼はいろいろ挑発していたように、最初から強気に来た。だから、ボクはそれを壊したんだ。どっちが強いかってことを証明するためにね。
――次の対戦相手はサワー選手に決定しました。
キシェンコ さっき握手をしたよ、10月に会おうって言ってね。楽しみだ。■


城戸康裕のコメント

――闘ってみての感想をお願いします。
城戸 圧力が強かったですね。あそこまで押されるとは…。
――ですが、1Rは押していました。
城戸 ローキックも効いていたのは分かっていたんですけど…途中から細かい部分でローキックを効かされてしまいました。ボディも食らいましたけど、倒れたくなかったんで…。
――最終Rではハイキックなど、反撃を試みましたね。
城戸 とにかく入ってほしいと思ってましたね。普段の練習では入るんですけど、ディフェンスがうまかったですね。僕の蹴りのところには、いつもグローブがありました。
――足の状態はいかがですか。
城戸 なかなか…痛いですね。
――世界との差を感じた?
城戸 技術でやられた感じですね。さっき負けて、こんなこと言うのはアホなんですけど…一年前までここにいられるレベルではありませんでした。今回、世界のレベルが分かったという部分もありますけど、やりあえるっていう気持ちはあります。メチャクチャ悔しいですけど、這い上がって来ます。
――今後、どんな部分を鍛えようと考えていますか?
城戸 技術、パワーもすべてです。こんなんじゃ終わらないっす…。■