第1試合◎スーパーファイト:K-1ルール/3分3R延長2R
大渡博之
(日本/正道会館)
vsMASAKI ×
(日本/Target)
1R1分53秒、TKO ※ドクターストップ。目尻から多量出血のため
report

06年にプロデビューを飾った大渡博之。正道会館に所属し、正道会館軽量級王者に4度も輝いた実績を誇る空手界の実力者だ。だが、大渡のすごさはそれだけではない。早稲田大学を卒業後、大手広告代理店である電通に就職したエリートサラリーマンとしての一面を持つ。22時を過ぎることも多い仕事の毎日を送りながらも、深夜に道場へ通い、日々の稽古を怠らずに自らを鍛え続ける姿は、まさに文武両道の鏡といえよう。また、昨年からスタートしたK-1トライアウトの第二期生として合格をはたし、今回のチャンスに結びついたといってもいい。大渡と対戦するのは、MASAKI。20歳から空手を始めたという遅咲きだが、アンディ・フグに憧れ、ヘビー級へ増量しようとしていたが、85kgしか増えず。結局、15kgも減量して、70kgのMAXへ合わせてきた執念の空手家だ。「自分は人生のすべてを格闘技にかけてきた。片手間でやる人とは違う」とMASAKIが大渡を挑発。大渡は、「すべてを100%やってきた。その気持ちをリングで見せる」と反論し、この対決が盛り上がっている。
1R、右ハイキックを仕掛けたのがMASAKI。右ストレート、ハイキックとリーチを活かした攻撃をみせる。大渡は、これを冷静に対処すると、右ストレート。さらに右ストレートを放つ大渡。そして右ストレートがヒット。前へ出るMASAKIに、大渡は右フックを直撃させる。左、右とパンチで攻めていく大渡。MSAKIはヒザ蹴りで対抗。お互いに意地が爆発する。大渡は、一歩も引かずにフックを振り回す。ヒザ蹴り、前蹴りがMASAKIに決まる。MASAKIの右フックがヒットするが、大渡は怯まない。だが、MASAKIは顔面を出血。ドクターチェックが入り、試合がストップ。大渡がTKO勝ちを収めた。■

 
comment

大渡博之のコメント

――赤コーナーから入場した感想はいかがですか。
大渡 あ~、気持ちよかったです。
――応援は聞こえましたか?
大渡 聞こえました。仕事先のお得意様とかが応援に来てくれたんですよ。逆に緊張しちゃって、いつもの半分しか実力が出せませんでしたけど(苦笑)。
――やはり緊張はありましたか。
大渡 いつもと違う感覚に、緊張はしましたね。
――相手の瞼を切り裂いたのはパンチですか?
大渡 ヒザだと思います。コーンと入りました。いや~、とにかく勝ててよかったです。次回からは技の出し引きとか出来ればいいですね。
――次の参戦も考えている?
大渡 はい。すごい選手ばかりが集まる舞台ですし、せっかく呼んでもらえたので。
――同僚の応援に?
大渡 来てくれました。大喜びしてくれたのが、本当に嬉しかったです。同僚とお得意様を含めれば、応援団は100人くらいですね。
――相手の選手はいかがでしたか。
大渡 情報がなかったので不安でした。でも、最終的にはやるしかないって開き直りましたね。
――今後はトーナメント本戦にも出てみたいですか。
大渡 もっともっと練習しないと追いつかないと思います。でも、追える夢は追いたいですね。せっかくなんで、諦めずに魔裟斗選手やサワー選手とも闘えるチャンスがあれば。
――今後の飲み会も予定は?
大渡 これで、大手を振って飲みに行けます(笑)。北京五輪が終われば時間が出来ると思うんで、もっと練習したいです。
――かなりの注目を浴びていました。
大渡 今までここまでの注目を浴びることがなかったので、相当、気持ちよかったですね~。
――仕事はいつから再開するのですか?
大渡 明日からです。ケガもないですしね。■


MASAKIのコメント

――まずは試合の感想をお願いします。
MASAKI 相手の強さは分かっていたんですけどね…。大渡選手が緊張していたのは手にとる様に分かったので、序盤から攻めて行こうと思っていたら…こういう結果になってしまいました。
――左まぶたのケガの具合はいかがですか?
MASAKI さっき縫ってきたんですけど…10針は縫いましたね。
――念願のK-1参戦をはたしましたが、今後のプランは?
MASAKI 所属ジムの大会などに参加して、一から勝ち上がって行って…また、ここに戻ってきたいと思います。■