第10試合◎JAPAN GPトーナメント決勝戦:K-1ルール/3分3R延長2R
× 前田慶次郎
(日本/チームドラゴン)
vsエヴェルトン・テイシェイラ
(ブラジル/極真会館)
3R判定3-0 ※29-30、29-30、28-30
report

 JAPAN GP決勝戦。ここに上がってきたのは、武蔵を倒した前田慶次郎。中迫強を倒したエヴェルトン・テイシェイラだ。二人ともニュージェネレーション。新しい時代を感じさせるファイターが、決勝戦で闘うことになった。はたして、WGP開幕戦への出場権を獲得するのは、どちらになるのだろうか。
 1R、ついに決勝戦のゴングが鳴る。テイシェイラは、ジリジリと前田に近寄る。前田は、右回りに動いて様子をうかがう。テイシェイラは、さらに前へ。下がる前田は、前へ出るテイシェイラに右ローキックを飛ばした。テイシェイラは、右ストレート。さらに一歩、踏み込んで右ストレートを放つと、前田はバランスを崩して転倒する。テイシェイラは、左右のフックで攻撃。前田は、またしても右回りを始める。テイシェイラは無理に追うことはしなかった。
 2R、前田はまた右に回る。テイシェイラは右ローキック。ジャブをついて右ローキックをヒットしていく。前田は左ミドルキック。逃げる場面が多くなったため、レフェリーが前田に注意。テイシェイラは、ミドル、ヒザ蹴り、後ろ回し蹴りと怒涛の攻めをみせる。前田はローキックを蹴っていくが、ダメージを与えることはできず。逆にテイシェイラは、ローキック、フック、ストレートと多彩な攻撃をみせた。
 3R、前田はローキック。テイシェイラは、ジャブ、ローキックで攻めていく。ときおり、二人は足を止めて打ち合う場面も出てきて、会場が盛り上がる。テイシェイラは、ワンツー、左ボディから右フックといった豊富なコンビネーションを見せていく。手数、ポイントはテイシェイラが上か。前田の左のパンチが捉えることもあったが、すぐにテイシェイラの左のパンチを返す。テイシェイラは、打たれ強さとともに、気の強い一面もみせた。勝負は、ここでも判定へ。3-0でテイシェイラが勝利。3年ぶりに復活したJAPAN GPだが、ニコラス・ペタス、ボブ・サップに続き、外国人が優勝。黒船を止めることはできなかった。
 テイシェイラは、「皆さん、今日は。磯部師範に、感謝しています。一つひとつ、歩んでいきたいと思います。参加させてくれた、極真、K-1関係者の皆さんに感謝しています。ありがとうございました。そして、フィリォ師範、一撃のみんなに感謝しています。最後に応援してくれたファンの皆さん、ありがとうございました」と興奮気味にコメントした。■

 
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エヴェルトン・テイシェイラのコメント

――優勝したJAPAN GPを振り返っての感想はいかがですか。
テイシェイラ 嬉しいです。ですが、私の目標は終わっていません。最終目標はWGPの王者ですからね。さらに向上しないといけない部分が多く残っています。
――その課題とは?
テイシェイラ 全般ですね。すべての面で向上が必要です。
――デビュー戦と比べて、かなり向上していたように見えました。
テイシェイラ 確かに距離感も良くなりました。それに、パンチも当たりました。進化はしていますが、まだ課題は多いですよ。
――JAPAN GP制覇は余裕でしたか?
テイシェイラ 格闘技に楽な試合はないです。難しかったですね。ですが、結果には満足しています。
――三試合を経験したことは、どんなプラス材料になりますか?
テイシェイラ 12月のWGP決勝大会では三試合を闘わなければいけません。その経験が出来ました。
――まだスタミナは残っていそうですね。
テイシェイラ 正直、まだ試合はできますよ(笑)。
――WGP制覇への自信は?
テイシェイラ 自信に繋がりました。まずは一歩を踏み出すことが出来ましたからね。
――今後も日本で練習する予定ですか。
テイシェイラ 2週間ほどブラジルでバカンスして、それから日本で練習をします。
――WGP開幕戦で闘いたい相手はいますか?
テイシェイラ 誰と言わず、すべての選手に対処できるようになりたいです。私の目的はチャンピオンですから。
――シュルト選手を止められるのはテイシェイラ選手しかいないのでは?
テイシェイラ とても強いですよね。一生懸命に練習しないといけません。
――シュルト選手はテイシェイラ選手のことを、「ボクシング技術が上がっている」と評していたそうです。
テイシェイラ ハハハ。彼は王者ですから、負けないように私は練習を積みます。
――磯辺清次師範からは、なにか言葉をかけられましたか?
テイシェイラ 「良かった」と言われました。ですが、「これからトップ選手と闘う準備が必要だ」ともおっしゃっていました。
――賞金の使い道は考えていますか?
テイシェイラ 考えていないですね。貯金が一番だと思います(笑)。■


前田慶二郎のコメント

――JAPAN GPを振り返っての感想をお願いします。
前田 負けちゃったという感じっす、アハハ。
――決勝戦の相手はテイシェイラ選手でしたね。
前田 ローキックが強いんで、それをもらわず最後に勝負しようと思ったんです。ただ、最後はもっと行けたら良かったですね。
――準決勝の佐藤戦に関しては?
前田 一回、闘っていた相手だったんで気持ちの勝負でした。
――緒戦では武蔵選手を破りました。
前田 試合前は挑発していましたけど、武蔵選手のことは尊敬していますからね。でも、結果に満足はしてないです。超えなきゃいけない壁ですよ。
――武蔵戦の3Rが終わった時点で、勝ったという実感はありましたか?
前田 作戦をすべて出せたんで、良かったです。
――入場曲が『ピンクレディー』でしたね。
前田 CDを借りに行ったら、『ドリフ』と『ピンクレディー』が目に入ったんです。『ピンクレディー』でピッタリでしたね。
――今後、ファイトスタイルの変更は?
前田 あれじゃ納得してもらえないですよね。もっと前に出るようにしたいです。魅せる部分も必要ですから。
――WGP開幕戦出場の可能性も残しています。
前田 WGPの本戦はバケモノばっかなんで、怖いです。今日は中州に行かずに寝てます(笑)。
――WGPハワイ大会への出場は?
前田 嫌です。マイティ・モー選手に会いたくないですよ~。■