第9試合◎K-1スーパーヘビー級タイトルマッチ:K-1ルール/3分3R延長2R
セーム・シュルト
(オランダ/正道会館)
vsジェロム・レ・バンナ ×
(フランス/Le Banner X tream Team)
3R判定2-0 ※30-29、29-29、30-29
report

多くのファイターが打倒シュルトに名乗りを挙げるなか、ついに“K-1の番長”がタイトル奪取にかかる!! 昨年、レイ・セフォーを破り、新設されたスーパーヘビー級のベルトを獲得したシュルト。その後もマイティ・モー、マーク・ハントといった挑戦者を退け、WGPと2冠の長期政権を築いている。まさに難攻不落を誇るK-1の“絶対王者”だが、ついに最強のチャレンジャーを迎えることになった。“K-1の番長”ジェロム・レ・バンナだ。過去2度の対戦ではシュルトに軍配が上がっているが、2戦ともトーナメントでの戦績。ワンマッチになれば、勝敗を予想するのは難しいところだ。それどころか、今まで数々の衝撃的なKOを生み出してきたバンナの豪腕が炸裂すれば、シュルトが崩れ落ちる可能性も高いだろう。互いのプライドをかけた一戦は、伝説の名勝負となるはず。“絶対王者”シュルトがさらなる長期政権に踏み出すのか、それともバンナが初のタイトルを手にするか!? 
 1R、いつものように前蹴りを放つシュルト。前蹴りをさばくバンナは、左ストレートから右ローキックをヒットさせた。バンナは右ローキック。シュルトは右ローキックを何度も蹴っていく。バンナは、左のパンチから右ローキック。どうやら、バンナは左のパンチよりも、最後に放つ右ローキックに活路を見い出そうとしているようだ。左フックから右ローキックをヒットさせるバンナ。シュルトは様子を見つつ、ヒザ蹴り、後ろ回し蹴りでバンナを沈めにかかる。
 2R、やはりシュルトの前蹴りでスタート。前蹴り、右ストレートでバンナの動きを止めにかかる。バンナは、右ローキック。左ストレートでKOを狙うが、届かない。シュルトは、ジャブでバンナの突進を止めて、ローキックやヒザ蹴りで止めに刺しにいく。バンナは構わず、前へ出て左ストレートで攻撃。シュルトはディフェンス。前蹴り、ヒザ蹴り、ストレートが容赦なくバンナに襲い掛かった。
 3R、シュルトが積極的に動く。バンナの左ストレートをガードすると、右ストレートをヒット。さらに右ヒザ蹴りを直撃させた。後ろ回し蹴りが襲い掛かり、バンナはピンチを迎える。それでもバンナは、左フックを振り回す。これはシュルトに当たらない。バンナはボディブローを狙うが、これすらもシュルトの前蹴りに阻まれた。バンナの肉体は、すでにボロボロになっているだろうが、何度も渾身の左ストレートを放っていく。シュルトもこれを迎え撃ち、スリルのある試合が展開される。勝負は判定となり、2-0でシュルトの勝利。シュルトは、14連勝のレコード記録を樹立するとともに(アーツの記録は13連勝)、3回目のタイトル防衛に成功した。
 シュルトは、「みんなありがとう! 王座を守ることができました。ファンの皆さん、ありがとう! チャンスをくれた関係者の皆さん、ありがとう! ボクの小さな息子にもいい報告ができます」と笑顔で語った。■

 
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セーム・シュルトのコメント

――ワンマッチなら負けない、と発言したバンナ選手に勝利しました。
シュルト 嬉しいの一言だね。
――余裕の勝利ですか?
シュルト 私には“絶対王者”という地位がある。私がKOで倒すのは当たり前だと思われているのが現状だ。しかし、私は勝つことが一番、重要だと考えている。それでKOできれば最高だね。拘りすぎると、KOが出来なくなるから。
――バダ・ハリ選手がシュルト選手のベルトに興味を示していました。
シュルト そういう機会があれば闘うけど、簡単にベルトは渡さないよ。
――バダ選手は「100%勝てる」とも、コメントしました。
シュルト 私とバダが闘えば、面白い組み合わせになる。みんなの期待に応える試合がしたいね。
――シュルト選手は、お子さんが生まれたそうですね。
シュルト 3ヶ月前になる。男の子で、名前はマイケルだよ。
――普段はどんなお父さんなのでしょう。
シュルト 育児は奥さんに任せっ切りだからね(苦笑)。良いパパと思ってもらえたら嬉しいけど、ハハハ。
――お子さんもファイターに?
シュルト それは決めてないよ。やりたいことをやらせてあげたい。それが親の愛というものさ。■


ジェロム・レ・バンナのコメント

――試合の感想をお願いします。
バンナ オレは出来る限りのことをした。しかし、とにかく巨大な相手だったな。それに今回は、ファンからの期待がプレッシャーになった部分もあった。残念だ。
――左足を痛めた?
バンナ ああ、少しだけな。気にするな。
――判定に納得していますか。
バンナ NO!! この試合はオレが勝っていた。 
――それでは、再戦も考えている、と。
バンナ 今回の判定には満足していない。オレは自分のことが大好きってわけじゃないし擁護もしない。でも、ジャッジは間違っている。オレは勝っていた。まあ、今日はプレッシャーが大きすぎて、自分の動きが出来なかったことも事実。次は何事も冷静に受け止めないといけないな。あと、今回のJAPAN GPはいい大会だったな~。才能のある若い選手が多かったぜ。以上だ。■