3年ぶりに復活するJAPAN GPの大本命は、なんといっても武蔵だ。過去に4度の優勝、1度の準優勝を誇る武蔵は、4・13WGP横浜大会で世代交代マッチと称された澤屋敷純一戦で圧勝。日本のエースとして、実力をあらためて証明して見せた。そして、当初は不参加を表明していたJAPAN GPに出場を決意。その裏には、K-1を盛り上げたい、という熱き思いが秘められている。対する前田慶次郎は、常勝軍団・チームドラゴンの新鋭。K-1トライアウトから成り上がり、一気に大物食いを狙う“傾奇者”だ。同門の澤屋敷が武蔵に破れた横浜の地では、マイティ・モーを下す大金星を挙げている。ともにアウトボクシングから試合を組み立てるスタイルだが、同じ土俵なら“武蔵流”に分があるのは事実。しかし、名伯楽・前田憲作の戦略を授けられた前田を侮ることはできない。日本のエースが再び実力を見せ付けるのか、それとも新鋭が大物食いをはたすのか。新たな世代交代マッチの結末はいかに!? ピンクレディーの『ペッパー警部』で入場した前田慶次郎。お面をかぶり、刀を持って派手に登場した。今回は封印するといっていたが、前田は武蔵を挑発しようとしているのか。 1R、パンパンと両手のグローブを合わせた武蔵。気合いが入っているようだ。前田は、左に回り、武蔵の攻撃を封じ込めるのが作戦か。武蔵は左ハイキック。これをスウェーでかわす前田。前田は右ローキックを連発。武蔵も右ローキックを返す。前田は右ローキック、ミドルキック、そしてローキックで攻撃。武蔵は左ローキック、左ハイキックを放つが、前田には当たらなかった。 2R、前田は右ローキック。武蔵は左ローキックを放つが、かわされる。武蔵は構えをオーソドックスにかえて、右からの攻撃を組み立てようとするが、前田にかわされる。前田はペースをかえずに右ローキックをヒットさせていく。武蔵はワンツーで攻めてハイキックを見舞うが、前田にかわされる。前田は、右ローキックを連発。ときおり、右のパンチを飛ばす場面もあり、完全に前田のペースか。 3R、前田はミドルキック、右ローキックを連発。武蔵は、ペースを掴めない。前田はローキック。ローキック。ローキック。武蔵は間合いをつめるが、攻撃ができない。強引にパンチを打っていくと、前田のカウンターを食らう武蔵。それでも武蔵はパンチを打っていくが、前田を捕まえることができず。有効打のないまま、勝負は判定へ。一人はドローだったが、残り二人のジャッジは前田を支持。なんと判定で前田が勝者となり、武蔵が一回戦で消えた。■ |