打倒シュルトを宣言した“Mr.K-1”ピーター・アーツが、今年初の試合に臨む!!　一昨年、昨年と2年連続でWGP決勝戦に進出し、全盛期の強さを取り戻したアーツ。しかし、アーツの前に立ちはだかったWGPの“絶対王者”セーム・シュルトに、ことごとく優勝を阻まれてきた。シュルトの長期政権を終わらせる決意をしたアーツは、4・26WGPオランダ大会で、WGP開幕戦でのシュルト戦を希望。打倒“絶対王者”に向けて立ち上がった。そのアーツと対戦するのは“南アフリカの大巨人”ヤン“ザ・ジャイアント”ノルキヤ。ノルキヤも打倒シュルトを期待されるファイターの一人で、過去には新日本キックの試合でシュルトからダウンを奪った実績がある。実績では圧倒的にアーツ有利と見られがちだが、ノルキヤはトップファイターを圧倒するだけの爆発力がある。ノルキヤをなぎ倒し、WGP開幕戦での打倒シュルトにアーツが突き進むのか!?　注目の一戦だ。
１R、打倒シュルトへ向けてアーツが発進。まずは、左ローキックでノルキヤを攻撃。ノルキヤは左ストレート。予想通りのスタートか。アーツは、右ローキックを連発。ノルキヤは左フック、右ストレートを飛ばしていく。アーツはガードを固めて、ローキックをヒット。ノルキヤが左アッパーでアーツのアゴをかち上げる。バランスを崩すアーツ。だが、右ミドルキックを返し、ノルキヤの動きを止める。ノルキヤは、左ローキックを返す。この攻撃が意外と効果的で、アーツが苦戦する場面も。
２Ｒ、アーツの左ローキックでスタート。ノルキヤは、相変わらずフックを飛ばすが、そのあとの左ローキックがいい。アーツは、左のローキックをヒットさせる。ワンツーからのヒザ蹴りで、次第にリズムをつかんでいく。ノルキヤは、左アッパー。アーツはローキック、ハイキック、ミドルキックと蹴りを散らしていく。後半は、ノルキヤがパンチで押しまくり、よもやの場面もあった。
３Ｒ、アーツは冷静に左ローキックをヒットさせる。ノルキヤは左アッパー。アーツはワンツーからヒザ蹴り。ノルキヤは失速していく。アーツは、ワンツー、ヒザ蹴り、ハイキックと完全にペースを掴んだ。だが、ここでノルキヤは左まぶたから出血。ドクターチェックのあと、再開される。アーツは、パンチで押しまくる。下がるノルキヤ。出血が止まらないのか、またしてもドクターチェック。再開されると、アーツは一気にパンチでラッシュ。レフェリーが割って入り、アーツのTKO勝ちが決まった。■

ピーター・アーツのコメント

――試合を振り返っての感想をお願いします。
アーツ　今日の試合はスローな展開になってしまったね。前の試合から6ヶ月も期間が空いてしまったから、試合勘が鈍ってしまった。だから、最初は緊張していたんだ。だけど、2R目からはリズムに乗って試合が出来たと思う。
――シュルト選手に挑戦する気持ちは変わりませんか。
アーツ　自分の中で今回の試合は、シュルト戦に向けてのチェックだったんだ。前回の試合で負ったケガや体調をテストするためのね。今回の試合で勝てたから、これからが本番だと思っているよ。
――シュルト選手とはやはり開幕戦で？
アーツ　当然さ。ただ、オレの意思は変わらないけど、相手の意思は変わるかもね（笑）。
――武蔵選手の敗戦はいかがですか？
アーツ　試合は見ていない。でも、判定で負けるシーンは見たよ。見ていないから、今日の闘いは評価できないけど…ムサシは体調が悪かったか、相手が予想以上に強かったんだろうね。とにかく、残念なことではあるよ。
――スーパーヘビー級タイトルマッチ、シュルトVSバンナ戦の勝敗は？
アーツ　試合展開は分からないな。でも、ジェロムが細かく攻撃すれば、勝てる可能性はあると考えている。でも、勝敗を予想するのは難しい試合になるだろうね。■

ヤン“ザ・ジャイアント”ノルキヤのコメント

――試合の感想をお願いします。
ノルキヤ　ピーターはWGPで3回も優勝している伝説のファイターだ。オレはよく闘ったと思うよ。ピーターはもっと足技を使ってくると思っていたけど、パンチが多かったね。まあ、試合が終わる30秒前にスタミナ切れで負けたけど、それまでの調子は良かった。それにファンの応援もあったしね。
――左瞼は何針、縫いましたか？
ノルキヤ　5針だ。
――アーツ選手はシュルト選手に挑戦すると発言していますが、勝算はあると思いますか。
ノルキヤ　シュルトは現王者、ピーターは3回の優勝を誇る王者だ。かなり互角の勝負になるだろう。でも、100％の状態ならピーターが勝つ可能性は高いと思う。今までのシュルトの試合を見ていると、アゴが弱いだろ？　ピーターがそこを狙えれば、勝算はあるはずさ。■