武蔵とともに、ジャパンを牽引してきた中迫強。ジャパンGPで準優勝を2回も経験している中迫は、最近、勝ち星に恵まれずにトップ戦線から脱落しつつある。前田慶次郎にもKO負けを喫していまい、負けられない立場にいる。そんな中迫の前に立ちはだかったのは、極真の佐藤匠だ。佐藤は、日本人には珍しいナチュラルなヘビー級ファイターとして期待を集めており、そのパワーは外国人選手に引けをとらない。また、普段からレイ・セフォーやグラウベとともに練習できる恵まれた環境が、佐藤の才能に磨きをかけている。日本人の世代交代が、ここでも起ころうとしているのか。

１R、左ローキックを連発する佐藤。中迫も右ローキックを返す。佐藤はジャブから右ストレート。そして左ローキックにつなげる。中迫はジャブをついて様子をみる。佐藤は右フック、パンチ連打からのアッパー。中迫はディフェンス。佐藤の左フックがヒットする。中迫は左ミドルキック。佐藤は右ストレートをヒット。中迫はローキックを返していった。全体的に佐藤がパンチをまとめて、中迫が蹴りを返すといった展開。手数では佐藤が上か。

２R、左右のフックを打っていく中迫。佐藤は左ストレートを返す。中迫は左ボディブロー。佐藤は右フックから右アッパーと追い込んでいく。細かいパンチの攻防が続く。佐藤はフックを中心に攻めて、ときおりストレートやアッパーで変化をつけていった。蹴りを中心に闘っていた中迫だが、パンチが目立ち始める。そしてヒザ蹴りも加わり、激しく動き始める。ワンツーを繰り出す中迫。そのときの右ストレートが当たり、佐藤がダウンを喫した。立ち上がった佐藤に、中迫はパンチを連打。ボディブローも打ちながら、佐藤を追い込んでいった。

３R、ダウンを喫してしまった佐藤は、右フックで逆転を狙う。だが、中迫は接近戦に持ち込み、左右のフックで攻撃。お互いにフックを打ち合うが、決定打とはならず。中迫はフック、ヒザ蹴りで追い込む。アッパーを打ち込む二人。フックを打ち合う二人。中迫は、最後にヒザ蹴りを入れるため、佐藤は守るので精一杯か。試合は判定へ。ダウンを奪っている中迫が、3-0で勝利。中迫がベテランの意地をみせた。■