“暴君龍”“巨神兵”と恐れられるアレックス・ロバーツが、ついにK-1に上陸することになった。ロバーツは空手で培った打撃を武器に、パンクラスやR.I.S.E.で猛威を振るう実力者。日本に在住し、普段は小学校の英語学習補助員として働き、子供たちから絶大な人気を得ているが、リングに上がれば圧倒的な破壊力で対戦相手を蹂躙する。過去には百瀬竜徳、富平辰文を下しており、キックボクシングルールではいまだ無敗だ。そのロバーツを迎え撃つのは、今年こそWGP優勝を目指すグラウベ・フェイトーザ。弧を描く“ブラジリアンキック”と凶器のようなヒザ蹴りを武器にKOの山を築く姿は、誰もが恐れることだろう。後輩のエヴェルトン・テイシェイラがＫ-1デビューをするため、グラウベも気合いが入っているはずだ。

　１Ｒ、ロバーツは左ローキック、左ハイキック、右ヒザ蹴りで攻撃。グラウベは左ストレート、左ミドルキックをヒットさせる。そして、ブラジリアンキックだ。ロバーツは、右フックを返す。グラウベは左ミドル、左ハイキックとつなげる。ロバーツはディフェンスするのが精一杯か。グラウベの鋭い蹴りは止まらない。上、下、中段と的確に蹴りが飛んでくる。それでもロバーツは、ワンツーからのヒザ蹴りで反撃。グラウベの牙を向けた。

　２Ｒ、グラウベが強烈な左ミドルキックを直撃。ロバーツは負けずに左ローキックをヒットさせる。なおもグラウベは、ミドル、ハイキック、ローキックと怒涛の蹴りを繰り出していく。ロバーツは、右のフックをカウンターで打っていく。だが、グラウベの左のブラジリアンキックが炸裂。ロバーツは、そのまま失神KO負け。グラウベがWGPの頂点へ向けて、好調なスタートを切った。■

グラウベ・フェイトーザのコメント

――試合の感想をお願いします。
グラウベ　今年、最初の試合をしてみて驚きでしたね。ロバーツ選手は私のいいキックが入っても耐えました。だからこそ、彼は出血することになってしまったのでしょうけど。
――自身の成長を感じられる試合になりましたか？
グラウベ　長年の練習でパンチの技術も上向いてきました。ジャブも良かったですし、アッパーも入りました。
――相手が前に出てきたことが有利に働いた？
グラウベ　練習中に戦略を立てました。相手が前に出てくること、ロングレンジで闘ってくることの2つを想定しました。相手が前に出てきたので、パンチを出してキックでフィニッシュしました。
――テイシェイラ選手のデビュー戦の感想は？
グラウベ　デビュー戦は緊張するものです。でも、彼は勝利しました。5Rを闘えたことはいい経験になるでしょう。
――自身のデビュー戦と比べてみて、いかがですか。
グラウベ　彼の方が良かったですね。私はデビュー戦がマイク・ベルナルドでした。私が苦手なパンチを打ってくる選手でしたからね。エヴェルトンの方が優れていたようです（微笑）。
――ロバーツ選手もK-1ではルーキーですが。
グラウベ　大変だったと思います。それに、私とスタイルが似ている選手でした。闘志があって、いい選手ですね。活躍できる選手だと思います。■

アレックス・ロバーツのコメント

――試合の感想をお願いします。
ロバーツ　チクショー!!　最初は勝てる試合だと思いました。相手のパンチが入って止まってしまって…ハイキックは見えなかったですね。勉強になったけど、こういう勉強はあまりしたくないですね。
――グラウベ選手のイメージは？
ロバーツ　ブラジリアンキックをもらわない練習をしていたんですけど、相手のパンチで止まってしまった…。強かったですね、グラウベ選手は世界のトップですから。でも、試合前と1Rが終わった時点では勝てると思っていました。
――足が止まったのはなぜ？
ロバーツ　アッパーが入ったかな？　もう一度、挑戦したいですね。次もK-1に出たいです。
――リベンジしたいですか？
ロバーツ　そういう気持ちもあるけど、もっと経験を積みたいです。ミドルとローキックが出ませんでした。真っ直ぐ下がってしまったのはダメでしたね。
――生徒さんは応援に来てくれた？
ロバーツ　うちの道場の生徒は来ていましたけど、学校の生徒は来ていません。テレビでは見てくれたと思います。すいませんでした。
――新学期、生徒にはなんと報告しますか？
ロバーツ　そこまで考えてませんね（苦笑）。
――もう一度、K-1に出場したいですか？
ロバーツ　グラウベ選手は強いけど、そこまでの差はないと思います。私にK-1は合っています。緊張しなければ勝てると思います。
――JAPAN GPの出場は？
ロバーツ　呼ばれれば出たいです。ゼロから作り直します。練習でやった技術が出なかったので、これからです。■