オープニングファイト2◎K-1ルール/3分3R延長1R
山本優弥
(日本/全日本キックボクシング連盟/青春塾)
vsマルフィオ“ザ・ウォーリヤータイガー”カノレッティ ×
(ブラジル/シッチマスターロニー)
3R判定3-0 ※30-27、30-28、30-28
report

 開幕戦が開催される広島は、なんと山本優弥の出身地。2月の日本大会ではアンディ・オロゴンの前に苦杯を舐めているだけに、故郷に錦を飾るチャンスを手にした山本のモチベーションは相当に高いはずだ。だが、山本の前に立ちはだかるのは背中にMAXの刺青を背負う男、マルフィオ“ザ・ウォーリヤータイガー”カノレッティ。05年を最後に、しばらくMAXのリングから遠ざかっていたカノレッティだが、広島に上陸することが決定した。過去にアンディ・サワーと、2度にわたり激戦を繰り広げたカノレッティの最大の武器はハートの強さ。常に前に出続けるファイティングスタイルで、MAXを盛り上げてきた。だが、17歳でプロの世界に飛び込んだ“神童”山本も「“魔裟斗2世”は自分」と発言し、06年の日本大会では肩を脱臼しても試合続行を求めるなど、気持ちの強さでは優るとも劣らない。山本の故郷・広島で、互いのハートがぶつかり合う好勝負が期待される。

 1R、ゴングが鳴ると山本は左ミドルキック。さらに左ミドルキック。左ミドルキック。左ミドルキック。6連発。7連発と続く。カノレッティは、ディフェンスするのが精一杯。山本の狙いは、カノレッティの右腕潰しか。そして山本は、左ハイキック、左ローキックと狙いを広げる。カノレッティは、左ローキックを返す。山本は左ローキックを連発する。一瞬、動きが止まるカノレッティ。カノレッティは、強烈な右ストレートを繰り出すが、山本はガードしつつ蹴りを的確に当てる。手数、的確さ、山本はカノレッティを上回っているようだ。

 2R、山本はまたしても左ローキックを連打。ワンツーから左ローキック。左フックを顔面からボディへと変化させ、カノレッティに揺さぶりをかける。カノレッティは単発ながら右フックの強打で形成逆転を狙う。山本はガードを固めつつ、細かいパンチを放ち、上中下に蹴り分ける。ペースは完全に山本にあった。

 3R、このままでは負けてしまうと思ったのか、カノレッティは右ローキック、ハイキック、右フックと連続で攻撃。だが山本は、ガード。左ミドルキックで攻撃を組み立て直し、左ボディブローをヒットさせる。カノレッティは、右のパンチ、ヒザ蹴りで反撃するが、山本は下がらない。奇声を発しながら、細かいパンチを繰り出し、蹴りへとつなげる。地元・広島の開催もあるのか、かなり調子が良さそうだ。最後は、胴回し回転蹴りまで見せて、派手な技でのKOも狙った。判定は、文句なく3-0で勝利。山本がカノレッティを完封した。■

 
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山本優弥のコメント

――試合を振り返っての感想は?
山本 地元だからどうってことじゃなくて、とにかく倒したかったですね。カノレッティ選手には日本人が勝っていなかったですしね。
――ガウンに関しては?
山本 作っていたけど間に合わなくて、いつものガウンを着ました。次は新しいものを用意したいと思います。
――昨日は谷川貞治プロデューサーに「トーナメントのつもりで試合をする」と言っていましたが。
山本 アハハ、ほかの選手につまらない試合をしてもらって、自分がいい試合をすればって思っていました。そうすればテレビにも映れますしね。
――地元での試合でしたが緊張は?
山本 地元だとか広島だとか、考えずに試合をしました。
――歓声は聞こえましたか?
山本 MAXのリングでは、セコンドの声とか聞こえづらいんですけど、応援してくれていたのは感じました。嬉しかったです。
――タフな相手だったと思います。
山本 ビデオでも研究しましたけど、前に来る選手ですよね。最初は相手がパンチを打って来るんで、いなして弱らそうと思っていました。みんな、パワーでやられていたんで。作戦通りに行ってよかったです。思い通りですけど、蹴りで痛めつけてパンチで倒したかったですね~。でも、谷川プロデューサーが「良かったです。次も出てください」と言ってくれたんで。ほかの選手がケガとかして、トーナメントに出るチャンスが来ればいいですね。3~4人、ケガでもしてくれれば(笑)。■