第6試合◎World Championship Tournament FINAL16:K-1ルール/3分3R延長1R
佐藤嘉洋
(日本/フルキャスト/名古屋JKファクトリー)
vsムラット・ディレッキー ×
(トルコ/ユニバーサルジム)
3R判定3-0 ※30-29、30-29、30-29
report

魔裟斗越えを目指す佐藤嘉洋に、曲者が立ちはだかる。日本人No.2として確固たる地位を築いた佐藤にとって、今年こそ魔裟斗に対する下克上を敢行するチャンスとなる。敗れたとはいえ、今年2月の日本大会ではブアカーオをあと一歩まで追い込むなど、着実に進化を遂げている。だが、魔裟斗越えを阻むムラット・ディレッキーは、相当な曲者だ。昨年、MAXに初上陸をはたしたディレッキーは、デビュー戦で初代王者のクラウスをたったの1RでKOし、脅威の潜在能力を見せつけている。日本での知名度はこれからだが、その実力は間違いなくトップクラス。佐藤にとっては、厳しいマッチメイクとなった。スピーディーに動き回り、強烈なパンチを見舞ってくるディレッキーと対する佐藤が、最大の武器であるリーチをうまく使えるかどうかが大きな鍵を握りそうだ。魔裟斗を越え、日本人No.1を目指す佐藤の意地が勝つか、それとも初代王者を食った曲者が大波乱を巻き起こすのだろうか。

1R、佐藤は右ローキックでスタート。それに右ローキックを直撃させる。ディレッキーは右ローキックを返し、右フックを放つ。ガードした佐藤は、右ローキック。ディレッキーは、左フック、そして右ストレートをヒットさせた。体が伸びてしまった佐藤だが、立て直してローキック。ディレッキーが右フック。佐藤はガードしつつ、インローを当てていく。ディレッキーは、右フック。右ストレート。左フックからの右ストレートとパンチを次々と繰り出す。佐藤は前蹴りでしのぎ、ローキックをズドン。前蹴り。ローキック。前蹴り。ローキック。まるでVTRを観ているように繰り返される。佐藤の攻撃は徹底していた。

2R、ディレッキーは前蹴り、ワンツーからのローキックと変化をつけて攻撃。しかし佐藤は、まったく動じずに左ローキック。ディレッキーが前へ出ると、佐藤はヒザ蹴り。待てば、左ローキック。佐藤は完全にディレッキーの動きを見切ったか。ディレッキーは、右、左とパンチを打っていくが、キレがなくなっていく。逆に佐藤は、蹴りが走り始め、ローキックの山がディレッキーに襲い掛かった。

3R、さらに勝負がハッキリとしていく。佐藤はローキック。前蹴り。ローキック。地獄のコンビネーションが続いていく。ディレッキーは、蹴りをもらうたびに、光を失っていくようだ。それでもボディブローを打つディレッキー。佐藤はヒザ蹴りで迎え撃つ。ディレッキーはアッパーを繰り出すが、これもヒットしない。判定となった佐藤は、ほぼフルマークとも思える内容で、ディレッキーを下した。■

 
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佐藤嘉洋のコメント

――結果に満足はしていますか?
佐藤 MAXに定期参戦していない選手のなかでは一番の強敵だと思っていたので、勝てたことは嬉しいですね。1、2R目はクレバーに闘おうと思ったんですけど、2Rにペースを握れたんで、ずっとクレバーに闘いました。
――相手の印象はいかがでしたか?
佐藤 テレビで見てたら分からなかったですけど、強かったですよ。トップ中のトップですね。
――抽選会を明日に控えていますが。
佐藤 僕の一番の目標は優勝です。一番、優勝しやすいところに行くつもりです。でも、MAXが盛り上がらないと僕の人生も盛り上がりません。盛り上がるところに行ってもいいかな、と思います。
――今回の試合は自信になりましたか?
佐藤 自信になりました。2連敗中だったし、3連敗はどうしても嫌でしたからね。今回は勝つって思い込んでいたんで、こうやって立ち向かえばいいんだって思いました。次は暴れるような試合をしたいですね。
――今日の試合に点数を付けるとしたら?
佐藤 僕のなかでは80点です。KOできたら95点ですね。残りの5点ですか? 僕は100点を取ったら引退しますよ(笑)。でも、倒そうとするとポイントになるんで、K-1では倒しに行かないとダメなんだと思いましたね、あらためて。■



ムラット・ディレッキーのコメント

――今日の試合を振り返っての感想は?
ディレッキー 100%を出し切れなかったかもしれないけど、いい試合ができたと思う。まあ、今日はサトウの日だったのかなって感じだね。
――佐藤選手の印象は?
ディレッキー 非常にいい選手だよ。普段はオーソドックスの選手なんだけど、今日は左の足技が多くて、凄く闘いにくかったね。
――佐藤選手はディレッキー選手を「定期参戦していない選手で一番、強い」と評していました。
ディレッキー 本当かい? それは嬉しいね。もちろん、サトウも素晴らしいファイターだよ。だけど、もう一度、闘うチャンスがあれば、今日は見せられなかった部分を見せて勝ちたいね。■