第5試合◎K-1 WORLD YOUTH特別試合:K−1WORLD YOUTHルール/3分3R/60kg契約
HIROYA
(日本/フリー)
vs藤鬥嘩裟 ×
(日本/藤ジム)
3R判定3-0 ※30-29、30-29、30-28
report

 真の“魔裟斗2世”を決める闘いの火蓋が、広島で切って落とされる。昨年、魔裟斗が認めた天才児としてMAXにデビューしたHIROYAは、瞬く間に次世代のエースとしての地位を確立。魔裟斗の後継者として、大きな注目を集める存在となった。だが、14歳でプロデビューを飾り、中学生でキック団体の王座を獲得した藤鬥嘩裟もまた、“魔裟斗2世”と呼ばれる存在。藤からのラブコールにより、このカードは昨年の大晦日に実現するはずだった。しかし、藤の年齢的な問題がネックとなり結果的に流れてしまう。だが、藤が中学校を卒業したことにより、次世代のエースを自負する両者の対戦がついに広島で実現することになった。試合ではHIROYAの高精度のコンビネーションと、藤が得意とする前蹴りの応酬が予想される。「誰が強いのか分からせてやる」と気合十分のHIROYAか。それとも「寝言は寝て言え」と燃える藤か。“魔裟斗の後継者”を巡る因縁の対決が始まる。

 両者、リング上で激しく睨み合い。10代のライバル争いが、ついに火蓋を切った。
1R、予想通りに藤は前蹴りを放つ。読んでいたHIROYAは、これをかわし、右ローキックを蹴っていく。右ローキック、そして前蹴りも繰り出していった。藤は、前蹴り。HIROYAは回り込んで左フックを狙う。HIROYAは右ローキック、そしてサイドキックを延ばしていく。おそらく、このサイドキックが、藤のリーチのある前蹴り対策なのだろう。HIROYAは、さらにサイドキック。懐へ入って、左フックを放つ。だが、左右のフックは力が入りすぎていたのか、大振りになってしまう。藤は、両手を伸ばしてHIROYAのパンチをディフェンス。パンチと蹴りのあるHIROYAが有利か。

2R、藤は前蹴り。かわしてHIROYAが、ローキック、サイドキックと崩しにかかる。HIROYAの右フックが軽くヒット。さらにHIROYAが前へ出たところで、藤の前蹴りが飛んでくる。短い距離からのパンチでKOを狙いたいHIROYA。長い距離からの前蹴りで倒したい藤。距離の闘いが、激しく展開されていく。HIROYAが接近すると、藤は組み付いてヒザ蹴り。HIROYAが遠くにいると、藤が前蹴り。これでHIROYAは、顔面へ当たり、鼻から出血してしまった。

3R、やはり藤は前蹴り。HIROYAは鼻血を流しながらも、ローキック。接近して藤がヒザ蹴り。再び、離れるとHIROYAはローキック。藤が前蹴りを放つと、HIROYAは右フックを振り回していった。藤が前蹴りからワンツー。HIROYAは、これをディフェンスして左フック、右フックとつなげるが、クリーンヒットはしない。左ミドルキック、ハイキックと連携させるHIROYA。藤は前蹴り。HIROYAは、パンチで打つがヒットしない。だが、執拗に打っていたHIROYAのパンチが、藤のボディへとらえた。やや下がる藤。HIROYAは、ミドルキックとボディブローを打っていく。藤は一瞬、動きが止まったものの前蹴りを返す。HIROYAが右フックで攻めたところで、タイムアップ。判定勝負となり、HIROYAが3-0で勝者となった。

マイクを握ったHIROYAは、「初めての広島で、お好み焼きを食べて、楽しかったです。KOしたかったのですが、できなくてゴメンなさい。僕を知らない人はたくさんいると思いますけど、覚えてもらえるように頑張ります」とご機嫌で挨拶した。■

 
comment

HIROYAのコメント

――緊張はありましたか?
HIROYA 倒そうと思って、全部に力が入っちゃいました。でも、直らなくて。倒すことしか考えてなかったです。細かくまとめられなかったですね。
――内容には満足ですか?
HIROYA KOしか狙ってなかったんで…直すところも分かりました。ボディが効いていたのは分かったんですけど、力の入れ過ぎでスタミナが残ってなかったです。
――藤選手と闘って、イメージとの違いは?
HIROYA 予想通りに前蹴りを出してきて、いい選手だと思いました。今後もやることがあると思います。でも、前蹴りは効いてないです。鼻血は出ちゃいましたけど(苦笑)。
――試合が終わり、相手に対して気持ちの変化は?
HIROYA ずっと倒すって思っていましたけど、今はそこまでの闘志はなくなりました。でも、今後も闘う可能性はあるんで、仲良くする気持ちはないですね。
――作戦通りに試合ができましたか?
HIROYA 前蹴りを潰すことはできたけど、それからもデカイ攻撃で行って当たらなかったんで…。今度、やるなら倒したいです。あんな試合ではダメですね。
――プロ意識に変化はありましたか?
HIROYA もっと大人っぽく…頭を使って試合を操れるようにならないといけない、と思いました。技術も気持ちも大事ですね。
――試合前は自分のためにならない対戦と発言していましたが。
HIROYA 思ったよりも差が出なくて、判定勝ちだったので…試合をして意味がなかったとは言えない。それは言えないですね。勉強が足りなかったです。
――今後もタイとの往復が続くのですか?
HIROYA 19日にタイに帰るんですけど、日本に帰ってくるのは試合か学校の休みですね。
――今日の試合の点数は?
HIROYA 成長はしていないので自分では30点ですけど、トレーナーは70点と言ってくれました。■



藤鬥嘩裟のコメント

――判定の結果には納得していますか?
藤 僕は負けちゃったんですけど、それだけです。
――力を出し切れましたか?
藤 出し切れてないです。会長との作戦を出せませんでした。ボディは効かなかったんですけど、徐々に動けなくなってしまって…。
――HIROYA選手との再戦を希望しますか?
藤 もちろんです。今度は勝つ自信が…あります。
――K-1を楽しめましたか?
藤 自分なりには楽しめました。
――体格差は感じましたか?
藤 感じなかったです。
――ワールドユースではHIROYA選手と同じチームになる可能性もあります。
藤 僕は与えられたことをやるだけです。
――試合のダメージはありますか?
藤 ないです。すぐにでも練習したいです。■