第4試合◎World Championship Tournament FINAL16:K-1ルール/3分3R延長1R
アンディ・サワー
(オランダ/シュートボクシング オランダ)
vsマイク・ザンビディス ×
(ギリシャ/Zambidis Club)
延長R 2分05秒、KO ※左ハイキック。本戦判定ドロー…30-30、30-30、30-30
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 昨年、2度目の世界王座を獲得したアンディ・サワーが、史上初の2連覇を目標にいよいよ始動する。前人未到の大記録を目指す以上、開幕戦で躓くわけにはいかないだろう。しかし、サワーの前に立ちはだかったのは、マイク・ザンビディスだ。MAXに参戦以来、幾多の名勝負を演じてきたザンビディスも、そろそろ名脇役からの脱却を狙っているはず。そのためにも、昨年の世界王者を開幕戦で倒せば、一気に優勝候補筆頭となる。技術的な攻防では、無尽蔵のスタミナを使ったラッシュ、一撃必殺のカウンターを誇るサワーが一枚上手。しかし、サワーの唯一の弱点は、スロースターターであること。序盤にザンビディスの“鉄の拳”がサワーを貫けば、勝利の行方は混沌としてくるに違いない。この試合の鍵となるのは、序盤の攻防。初の連覇を目指すサワーが、弱点を克服できたのかどうかも含めて、今年のMAX戦線を占う一戦になるかもしれない。

 1R、まず飛び込んだのはザンビディス。右フックを飛ばし、KOを狙う。右ローキックを放つザンビディス。すかさず左右のフックにつなげるが、サワーはガードを固めて崩れない。サワーは、左ミドル、インローをコツコツと蹴っていく。ザンビディスは右フック。サワーはローキックを返す。ローキックで攻めつつパンチを連打するザンビディス。さらに飛びヒザ蹴りを放ち、左右のフックを見舞った。サワーは、右ローキック。ザンビディスもローキック。蹴りでは倒されないというザンビディスの気持ちが表れているようだ。

 2R、サワーはインロー。ザンビディスは回りながら左右のフック。サワーはインロー。ザンビディスは右のパンチで放つ。サワーはインロー。ザンビディスはローキックを返す。左フックから右ローキックをヒットさせるサワー。ザンビディスも左右のフックで崩しにかかるが、サワーには通じない。サワーは職人のように、無駄な動きがなくローキックを炸裂させる。手数でザンビディス。的確さでサワーか。

 3R、サワーは右ハイキック。ザンビディスは右ストレートを返す。左フックから右ローキックへとつなぐザンビディス。サワーはミドルキックでザンビディスの腕を狙う。ザンビディスは、それでも左右のボディフックで倒しにいく。サワーはヒザ蹴りで対抗。ザンビディスは、構わず前へと出て、右フックで攻撃する。サワーはフックを返しつつ、右ローキックをヒット。これで動きが止まるかと思いきや、ラウンド終了間際に、ザンビディスは左、右フックを当てて、サワーを追い込む場面もあった。勝負は判定へ。だが、0-0でドローに。延長戦に突入した。

 延長戦。サワーはインロー。右ローキックでザンビディスの動きを止めにかかる。ザンビディスは右フックでKOを狙う。お互いに作戦は変えない。ワンツー、ローキックのコンビネーションで攻めるサワー。攻守が激しく入れ替わり、どちらが勝ってもおかしくない展開だ。サワーは、ワンツーから右ローキック。本来の動きが出てきたようだ。ザンビディスは、最後の力を振り絞って、飛びヒザ蹴り、フックを繰り出していくが、サワーは揺るがない。そして、サワーの左ハイキックが首筋に直撃。ついにザンビディスが倒れ、そのままKO決着に。最後の最後で、サワーが開幕戦を突破した。■

 
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アンディ・サワーのコメント

――延長まで行くと思っていましたか?
サワー 確かに延長戦に行くことは予想してなかったよ。ザンビディスは試合のなかでかなりのフックを出してきたけど、それはガードの上だ。十分に勝てる試合をしたつもりだった。まあ、余裕があったから延長戦でも勝てたけどね。
――アイシングしている左の拳は?
サワー 左のパンチを出しすぎてダメージがあるんだ。軟骨にダメージがあるね。骨折はしてないよ。ボクサーがよく受けるダメージさ。■



マイク・ザンビディスのコメント

――試合の感想は?
ザンビディス 非常にタフな試合だったよ。でも、みんなも楽しめただろう? 延長戦ではキックが当たってしまい残念だったが、オレは満足しているよ。
――サワー戦への対策は?
ザンビディス 予定通りの作戦ができたと思うよ。本当はもっとやりたかったけど、素晴らしい試合だった。結果が違えばもっと良かったけど、今回はオレにとって最高の経験だった。もう一度、闘ってリベンジしたいね。
――王者を相手に手応えは?
ザンビディス KOで勝ちたかったけど、彼はいい選手だった。けど、惜しかったよ。オレはサワーを尊敬しているんだ。尊敬はしていたけど、やることはしっかりやろうと思っていたよ。■