第2試合◎World Championship Tournament FINAL16:K-1ルール/3分3R延長1R
× イム・チビン
(韓国/KHANジム)
vs城戸康裕
(日本/谷山ジム)
1R0分40秒、KO ※右ヒザ蹴り
report

 真のアジア王者決定戦となるこの一戦。城戸康裕は、ムエタイ仕込みの華麗な足技を武器に、本命不在といわれた2月の日本大会を制し魔裟斗、小比類巻貴之、佐藤嘉洋に続く4人目の日本王者となった。対するイム・チビンは、強豪ひしめくアジア大会で優勝。再び本戦への切符を掴んでいる。世界レベルとの対戦が初の城戸にとって、チビンはとにかく危険すぎる相手だろう。過去に魔裟斗、クラウス、小比類巻と激戦を繰り広げたチビンは、百戦錬磨の強豪。城戸に世界の洗礼を浴びせようと牙を剥くはずだ。しかし、城戸も日本大会で優勝した実力を世界に認めされるためにも、この勝負は落とせない。試合の鍵を握るのはリーチの差。175cmのチビンと181cmの城戸の対戦は、どちらが自分の距離で闘えるかが勝負を分けることになるだろう。チビンが世界の壁となり立ちはだかるのか、それとも城戸が世界に羽ばたくのか。真のアジア王者の行方とともに目が離せない

 1R、城戸は右ローキックを飛ばす。チビンは左フック、前蹴り、右ローキックで様子を探る。城戸も右ローキックを返す。その直後だった。城戸の右ヒザ蹴りがチビンのアゴに直撃。チビンは立とうとするが、ヒザをついてしまう。なんと、そのままKO決着。城戸は40秒で開幕戦を突破した。

 マイクを握った城戸は、「やったー。いいのが入ったぁぁー。これからも、まだまだあるんで、応援よろしくお願いしま~す!!」と絶叫。第3の男が、一気に浮上した。■

 
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城戸康裕のコメント

城戸 気持ちいいっす!! 爽快です。試合前、なんでキックをやっているんだろうってところまで遡って…でも、これがあるから辞められないっすね。狙っていました。狙い通りです。
――40秒でのKOは、過去にありますか?
城戸 ないですね、最短ですね。あ~、そうですね。記憶を辿る限り、最短です。今年はツイてます。狙って入るものじゃないですよ。
――前回はノーマークでしたが、今回は違いました。
城戸 日本代表ですし、魔裟斗選手や佐藤選手は勝つでしょうからね。俺が負けたらなにやってんだって思うだろうし、ほかの日本大会のメンバーにも申し訳ないですよ。でも、結果を残せて本当に良かったです。
――次の試合に関しては?
城戸 目の前の試合しか考えないんですけど、明日の抽選会までに考えておきます。
――次戦までのスケジュールは?
城戸 まだ全然です。とりあえず勝つと思ってなかった…いや、勝ちに行ってたんですけど、そのあとのことは考えてないんです。予定もなんもないです。
――世界で勝つと景色は違いますか?
城戸 ここからは、僕の地元より韓国の方が近いですからね。次の段階でやっと世界だなって思うでしょう。
――今までで一番、嬉しいですか?
城戸 2月もヤバかったですけど、今回も同じくらいです。
――ファイトマネーはもう、使いましたか?
城戸 奨学金は時間がなくて返していないんです。時間ができたら返します。今回は両親やジムの先輩、後輩も地元から駆け付けてくれたんです。お金のない後輩の大学生が鈍行で来てくれたり、車で来てくれたり。応援してくれた方が多かったんで、スゴイと思いました。
――ますます注目度は上がります。
城戸 プレッシャーにもなりますけど、バネに変えて練習に励みたいです。元々、ケガしていたところがあるんで、今後はゆっくり治したいです。左の脛ですね。
――レベルアップした実感は?
城戸 自分でも分からないですね。3分3R、闘った方が実力はハッキリ分かるんです。KO勝利にはそういうデメリットもあるんですよ。贅沢な悩みですけど。
――今後、鍛えたいところは?
城戸 対戦相手が決まってから考えます。今回は身長差があるんで、ヒザ蹴りばっかり練習していました。
――今後、タイでの練習は?
城戸 ないですね。
――応援団は?
城戸 地元から50人くらい…もっといますね。7、80人はいました。ジムの関係者や、親戚も。ジムの後援会の方も来てくれたようです。
――全国区になった実感は?
城戸 ありがたいですよ。こんな舞台でやらせてもらって。今日は80点ですね。自分のなかではいい評価です。狙い通りに行ったんで、スゴイですね。■



イム・チビンのコメント

――今回の敗因は?
チビン あまりにもあっという間の出来事で信じられないです…。
――ヒザ蹴りは見えなかった?
チビン 来るのが見えたら避けていましたよ。パッとなにかが光るような感じで、そうしたら倒れていたんです。
――城戸選手の印象は?
チビン あまりにも短かったから、印象を受けることもできなかったです。残念なので、リベンジマッチをしたいですね。そのときに印象を感じたいです。■