第9試合◎K-1 WORLD GP FINAL決勝戦/K-1ルール/3分3R延長2R
セーム・シュルト
(オランダ/正道会館)
vs ピーター・アーツ ×
(オランダ/チーム アーツ)
1R1分49秒、TKO
report

 決勝戦に上がったのは、セーム・シュルトとピーター・アーツ。これは、昨年のファイナルと同じ顔合わせ。シュルトが優勝すれば、史上初となる三連覇。アーツが優勝すれば、アーネスト・ホーストと並ぶ4度目の王者が誕生することとなる。準決勝戦でアーツは、レミー・ボンヤスキーに苦戦したため、ダメージが残っていることだろう。シュルトは、バンナの負傷により、比較的、楽に勝ち上がることができた。この差が、どこまで出るかが勝負の分かれ目になりそうだ。
 記念すべき、15代王者を決めるゴングが鳴らされる。どんな結末が待っているのだろうか。

 1R、シュルトはいつものように前蹴りから入る。アーツは飛び込んでの左ストレート。シュルトの右のガードが下がるという分析なのだろうか。だがシュルトは、これをガードして右ローキックを返していく。アーツはミドルキック。左フック、右フックで倒しにかかる。どうやら、準決勝のダメージはなさそうだ。シュルトは、前へ出てくるアーツに合わせてヒザ蹴り。これをかわしたアーツは、ローキック。シュルトはヒザ蹴り、ローキックで攻撃。左ストレートをもらいながら、アーツは前へ出ていく。ところが、その直後、アーツは右足に異常を訴えながらダウン。あまりにも痛がるアーツを見て、レフェリーは試合を止める。この瞬間、シュルトの三連覇が決定。
誰も予想していない結末で、シュルトの優勝が決まった。絶対王者の牙城は誰も崩すことができなかった。 ■

 
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ピーター・アーツのコメント

――ダウンを喫したのは、最後のジャブが効いたのですか?
アーツ パンチのダメージではなく、踏み込もうとしたらヒザが違う方向に動いて、痛めてしまったんだ。
――トーナメントを振り返ってもらえますか。
アーツ 1試合目はいい感じで通過できたと思う。2試合目でスタミナをロスしてしまった。3試合目は自分の攻撃ができないまま終わってしまって、残念だったよ。
――澤屋敷選手に関しては?
アーツ ゲームプランはプレッシャーをかけて動きを止めることだった。彼はプレッシャーに負けた部分がある。そこで負けないようになれば大丈夫さ。
――パワーが必要ということですか?
アーツ パワーよりも経験を積んで、もう少し体を大きくしないとK-1のヘビー級ではやっていけないよ。
――K-1とはアーツ選手にとって、どういったものですか。
アーツ オレは第1回のトーナメントから闘っている。生活の一部さ。負けたけど、まだ数年はやれると思ったよ。引退後もK-1とビジネスパートナーとして選手の育成などに携われればいいな。でも、それは先のことだと思っているけどね。
――シュルト選手とは再戦でした。
アーツ すぐに終わってしまった。前回とは比べられないよ。前回は練習の成果を出せたからいい試合ができた。今回はなんと答えていいか…。
――ヒザの負傷は?
アーツ 右のヒザだ。ずれてしまって、水が溜まっているような状態なんだ。前方十字靭帯を痛めたみたいだ。■



セーム・シュルトのコメント

――3連覇を達成した気分はいかがですか。
シュルト 優勝できたことは非常に嬉しいね。それに3連覇を達成できたことも。
――オランダ人同士の決勝でした。
シュルト いい試合ができたと思うよ。K-1はオランダでも人気が出てきている。さらにオランダ人選手の参戦も増えるだろう。K-1は素晴らしいシステムの格闘技だ。テレビで流れることで、出たい選手が増えるだろうね。
――優勝は簡単でしたか?
シュルト イージーじゃないよ。優勝するためにしっかりと練習を積んできた。簡単な試合ではなかったよ。素晴らしい試合で、夢が叶ったと思う。あとは映画の『ロッキー』のような試合をすることかな(笑)。
――どの試合が一番、厳しかったですか。
シュルト 第1試合がタフだったし重要だった。結果、内容次第でそのあとの対応が変わるからね。アーツ戦は厳しい試合とは考えていない。でも、ピーターはどうかな?
――今後のプランとしては?
シュルト 今のところはないよ。
――『Dynamite!!』に関しては?
シュルト オファーがあれば参加してみたいけど、決めるのはマネージャーだよ。
――来年は4連覇を狙いますか。
シュルト 今のところ3連覇したことを実感して、嬉しい気持ちに浸りたいな。K-1の15周年という大会で3連覇を成し遂げて、すでにボクは歴史に残る選手になったと思う。でも、来年は誰も成し遂げなかった4連覇を達成したいね。■