第4試合◎K-1 WORLD GP FINAL準々決勝戦(3)/K-1ルール/3分3R延長1R
× バダ・ハリ
(モロッコ/ショータイム)
vs レミー・ボンヤスキー
(オランダ/チーム ボンヤスキー)
R判定2-0 ※30-29、29-29、30-29
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 これは運命なのか。バダ・ハリがK-1に参戦した当時から、不仲説が流れていたレミー・ボンヤスキーと、ついに闘うことになったのだ。バダは、レミーがWGP王者だった2年間を振り返り、「K-1にとって最悪の時期だった」と酷評。レミーのことを「フェイク王者だ」と笑っていたこともある。当然、そうしたバダの批判をレミーは耳にしているようだったが、「彼は本当のトップファイターと闘っていない。ただのビッグマウスだろう」と相手にしていなかった。いつもクールな態度を貫くのが、レミーのスタイル。いくらバダが騒ごうが、軽く受け流していたのは間違いない。だが、プライドを傷つけられたのは事実だ。きっとレミーは、このときを待っていたのかもしれない。バダとの試合は、これまで以上に感情が表に出る闘いになるだろう。

 1R、お互いにローキックを放つ。スピードが速い。さらにバダの右ローキック。レミーもローキックを返す。バダはジャブから右ローキック。レミーは左フックを連続で放つ。これをガードしたバダは、ジャブから右ローキック。レミーは一瞬、動きが止まってしまう。だが、レミーはフック、ヒザ蹴りと続ける。バダは、ワンツーから左ボディブロー。パンチから蹴り、蹴りからパンチにつなげるテクニックは、バダが上か。レミーはコツコツとカウンターでローキックを当てていき、バダがパンチと蹴りで崩しにいくという形となった。

 2R、バダは素早いジャブ、ワンツー、ボディー、ローキックと目にも止まらぬコンビネーションで攻撃。レミーはじっと耐えて、ローキックを蹴っていく。さらにバダは、ワンツー、ハイキックで崩しにかかる。レミーはじっと耐えて、ローキック。バダの動きが止まると、またローキック。パンチをディフェンスして、ローキック。仕掛けているのはバダだが、レミーの攻撃が効きはじめてきた。それでもバダは、攻撃を止めない。後ろ回し蹴り、左右のフック、ボディブローとレミーを攻め立てた。

 3R、レミーは左フックから右ローキック。ワンツーから右ローキックとバダを倒しにかかった。スピードが落ちていったバダは、フックからローキックを返す。苦しいはずのバダだが、右フック、ミドルキック、ローキックと手を休めない。しかし、レミーのガードは鉄壁だ。攻撃をするたびに、ローキックを蹴られて足が止まってしまう。バダの攻撃が止まると、レミーの反撃が激しくなる。バダはローキックを耐えながら、パンチを打つのが精一杯か。

 KO決着が必至と言われたこの対決だが、意外にも勝負は判定へ。2-0でレミーが勝利を収め、ひとまず因縁の試合へケリをつけた。準決勝へ駒を進めたのは、レミーだった。 ■

 
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バダ・ハリのコメント

――試合の感想をお願いします。
バダ 自分としてはできる限りやったよ。満足もしている。ファンのみんなにも喜んでもらえたはずだ。それに、自分が強くなったことを自覚できたよ。
――判定に対しては?
バダ 変わった質問だ。オレはジャッジには従う、素直に従うよ。スポーツをやる限り、納得のいかないことはあると思っている。これはオレへの試練だと思っているし、これを糧に頑張るさ。
――相手のガードは固かったですか。
バダ とくに自分では闘いにくいとは思わなかった。パンチも出せたし、いい対戦相手だと思ったよ。でも、闘ってみて王者になるベストなファイターではないと感じた。
――ボンヤスキー選手をベストではないと言う理由は?
バダ 闘ってみて感じたからだ。いいファイターだけど、ベストファイターではない。今後、優勝するかもしれないけど、オレは占い師ではないからな。
――左足を蹴られていたがダメージは?
バダ むしろもっと蹴れってレミーに言ったんだ。でも、あまり蹴ってこなかった。物足りないって感じだな。
――最後に抱擁していましたが、仲直りですか?
バダ 仲直りではなく、スポーツマンとして敬意を払ったハグだ。
――では、相手への考えは変わらない?
バダ ああ、変わらないな。
――今日は誕生日ですが、良い誕生日になりましたか?
バダ 今日、試合をできたことがK-1に与えられたプレゼントだと思っている。そこそこ良い誕生日だと思っているよ。■