第3試合◎K-1 WORLD GP FINAL準々決勝戦(2)/K-1ルール/3分3R延長1R
セーム・シュルト
(オランダ/正道会館)
vs グラウベ・フェイトーザ ×
(ブラジル/極真会館)
3R判定3-0 ※30-27、30-28、30-27
report

 絶対王者のセーム・シュルトが、グラウベ・フェイトーザを相手に前人未到の3連覇へ向けて発進することになった。この顔合わせは、今回で三度目の対決。一回目の対戦は、05年のWGP開幕戦で実現。このときは、シュルトが判定でグラウベを退けて、決勝トーナメント進出を決めている。そして、二度目の対決は壮絶だった。同年のWGP決勝戦で、幸運も味方につけてファイナルまで勝ち上がったグラウベに対して、シュルトがヒザ蹴りで豪快に沈めたのだ。衝撃のKOシーンを生み出し、自身初のWGP制覇を達成することに成功。この優勝で、シュルト強しを印象付けたといっても過言ではない。翌年もぶっちぎりで連覇したシュルトは、グラウベとの試合が転機になっているといってもいい。グラウベにとっては、絶対にリベンジしたい相手だ。

 1R、ジャブを放ち、シュルトは前蹴り。グラウベは左ローキック。シュルトは右ローキック。静かな立ち上がりと思えたが、グラウベの左ハイキックがシュルトのアゴ先をかすめた。しかし、シュルトは怯まずにヒザ蹴り。グラウベは左フック、右ローキックで応戦。シュルトは後ろ回し蹴り。ガードしたグラウベは、ローキックをヒットさせる。シュルトはヒザ蹴り。グラウベはガード。そして、左ハイキックがまたしてもシュルトのアゴをかすめた。シュルトもヒザ蹴りで返し、ラウンドが終了した。

 2R、シュルトは左ミドルキック、左ハイキック。グラウベはローキック、そして左ハイキックを返す。シュルトはヒザ蹴りで止めを刺しにくる。ローキックを蹴っていったところで、また左のブラジリアンキック。これが側頭部へ入り、シュルトがダウンをしそうになる。だが耐えたシュルトは、ヒザ蹴り。グラウベはパンチで追い討ちをかけようとするが、シュルトは後ろ回し蹴りで応戦。大きな差はつかなかった。

3R、グラウベは立て直してローキックから試合を組み立てにかかる。だがシュルトは、ヒザ蹴り、ハイキック、ローキック、前蹴りと王者のスペシャルコンビネーションで猛反撃。左ハイキックを放つものの、グラウベは倒せない。さらに、ヒザ蹴り、ミドルキックと連続で蹴られてしまう。勝負は判定へ。微妙な差かとも思われたが、3-0でシュルトが勝利を収めた。準決勝でバンナと闘うのはシュルトだ。■

 
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グラウベ・フェイトーザのコメント

――試合の感想をお願いします。
グラウベ ファンにはいい試合だったけど、私にはいい結果が出ませんでした。もっと練習をしなければ…。
――ダメージはいかがですか?
グラウベ 肉体的には平気です。最後に鼻にパンチをもらって出血してしまいましたけどね。でも、もう一度、試合をしろと言われても平気です。問題ありません。
――闘いにくかった点は?
グラウベ これはセーム(シュルト)と闘う、すべての選手の課題だと思います。セームは手足が長いのでなかに入るのが難しい。それに、ヒザを使うのもうまいですからね。
――ハイキックがヒットしたことによって、今後の可能性は広がった?
グラウベ 勝てない選手ではないです。あの場面でセームの持つ確実さが私にあれば、うまく行ったはずです。突破口が見えたと言っても過言ではないですね。
――ハイキックがヒットしたときの手応えは?
グラウベ あれはチームのみんなと話していたんですけど、高すぎました。もっと低く、首に当たっていれば相手は倒れていたはずです。■