絶対王者のセーム・シュルトが、グラウベ・フェイトーザを相手に前人未到の3連覇へ向けて発進することになった。この顔合わせは、今回で三度目の対決。一回目の対戦は、05年のWGP開幕戦で実現。このときは、シュルトが判定でグラウベを退けて、決勝トーナメント進出を決めている。そして、二度目の対決は壮絶だった。同年のWGP決勝戦で、幸運も味方につけてファイナルまで勝ち上がったグラウベに対して、シュルトがヒザ蹴りで豪快に沈めたのだ。衝撃のKOシーンを生み出し、自身初のWGP制覇を達成することに成功。この優勝で、シュルト強しを印象付けたといっても過言ではない。翌年もぶっちぎりで連覇したシュルトは、グラウベとの試合が転機になっているといってもいい。グラウベにとっては、絶対にリベンジしたい相手だ。 1R、ジャブを放ち、シュルトは前蹴り。グラウベは左ローキック。シュルトは右ローキック。静かな立ち上がりと思えたが、グラウベの左ハイキックがシュルトのアゴ先をかすめた。しかし、シュルトは怯まずにヒザ蹴り。グラウベは左フック、右ローキックで応戦。シュルトは後ろ回し蹴り。ガードしたグラウベは、ローキックをヒットさせる。シュルトはヒザ蹴り。グラウベはガード。そして、左ハイキックがまたしてもシュルトのアゴをかすめた。シュルトもヒザ蹴りで返し、ラウンドが終了した。 2R、シュルトは左ミドルキック、左ハイキック。グラウベはローキック、そして左ハイキックを返す。シュルトはヒザ蹴りで止めを刺しにくる。ローキックを蹴っていったところで、また左のブラジリアンキック。これが側頭部へ入り、シュルトがダウンをしそうになる。だが耐えたシュルトは、ヒザ蹴り。グラウベはパンチで追い討ちをかけようとするが、シュルトは後ろ回し蹴りで応戦。大きな差はつかなかった。 3R、グラウベは立て直してローキックから試合を組み立てにかかる。だがシュルトは、ヒザ蹴り、ハイキック、ローキック、前蹴りと王者のスペシャルコンビネーションで猛反撃。左ハイキックを放つものの、グラウベは倒せない。さらに、ヒザ蹴り、ミドルキックと連続で蹴られてしまう。勝負は判定へ。微妙な差かとも思われたが、3-0でシュルトが勝利を収めた。準決勝でバンナと闘うのはシュルトだ。■ |