第8試合◎K-1ルール/3分3R延長2R
ピーター・アーツ
(オランダ/チーム アーツ)
vs レイ・セフォー ×
(ニュージーランド/レイ・セフォーファイトアカデミー)
2R0分00秒、TKO ※タオル投入。1R、セフォーは右ローキックでダウン1あり
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 K-1が誇るベスト8ファイターが、いきなりWGP開幕戦で激突することとなった。ピーター・アーツは、周知のようにWGPを三度も制している20世紀最強のキックボクサー。ここ数年は持病の腰痛の影響があったためか、かつての強い姿が見られなかったが、今年の香港大会ではニコラス・ペタスを豪快なハイキックでKO。全盛期を思わせる動きで、完全復活をアピールしたばかりだ。一方、レイ・セフォーも負けてはいない。メルヴィン・マヌーフを一撃で倒したかと思えば、今年の3月にはセーム・シュルトから左ストレートでダウンを奪い、文字通り、あと一歩まで追い込んだ。アーツは、アーネスト・ホーストが持つ4度目の王者への記録へ挑む大切なスタート。セフォーは、シュルトへ借りを返すための大事な開幕戦となる。お互いに1勝1敗だけに、今回が決着戦といっていい。
 1R、アーツは前蹴り、そして強烈な右ローキック。さらに、ジャブからの右ローキックをヒットさせた。セフォーも左右のローキックを返すが、アーツはディフェンス。アーツはローキック、右ハイキック、ローキックと蹴りが走りまくる。セフォーは右ストレートを放つが、アーツのガードを崩せない。アーツはジャブからのローキック。単発でのローキックを飛ばしていく。セフォーはフックを返すが、力がない。足のダメージも大きいようだ。アーツは、ヒザ蹴り、ローキックと一気に勝負をかける。右ローキックでセフォーがダウン。立ち上がったセフォーに、アーツはヒザ蹴りとローキックを連発。あと少しのところで、ラウンドが終了した。
 2Rの開始のゴングが鳴らされたとき、すでにセフォーは立ち上がることができなかった。これにより、アーツのTKO勝ちが決まる。セフォーは大号泣。アーツが近寄って慰める場面があった。■

 
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ピーター・アーツのコメント

「(圧倒的な強さでしたね)実は調子は悪かったんだ。でも、いい試合ができてよかったよ。(同世代の選手たちが勝っていないことに関して)ほかの選手、みんなが年を取っているからだろうね。ボクもあと、2~3年しか試合ができないだろう。残念だけどね。(韓国のファンへメッセージを)みんなの声援に感謝しているよ。ありがとう!」■

レイ・セフォーのコメント

「(調子が悪かった?)実は2週間前から体調がおかしくてね。熱があったんだ。なんでかは分からないけど、コンディションがよくなかった。自分の母に試合に出ないでほしいとも言われたよ。でも、ファンの期待に応えようと頑張ったんだ。試合で、いつまで保つかは分からなかったけどね。(シュルト戦の時もよくなかった?)そうだね。調子が悪かった。熱が38度まで上がったんだ。今回、ソウルに来る少し前に調子が悪くなって、練習ができなかった。こういうことが繰り返されるけど、なぜだか分からないよね。(韓国での開催に関して)とくに影響はなかった。これだけファンが集まって大きな大会になったのは嬉しいよ。ただ、試合はうまくできなくて失望している。ピーターがいい選手だとは知っているとは思うけど、ボクもこれからも頑張るよ。今まで忙しかったから1年くらいは休むつもりなんだ。(1年間、完全に試合はしない?)今年を休みたいってことさ。ボクはポジティブだ。3連敗は初めてだけど、這い上がるつもりだよ。(全世界のファンへのメッセージを)いい試合はできなかった。でも、次は勝って見せるよ」■