第5試合◎K-1ルール/3分3R延長2R
グラウベ・フェイトーザ
(ブラジル/極真会館)
vs ハリッド“ディ・ファウスト” ×
(ドイツ/ゴールデン・グローリージム)
3R判定3-0 ※30-27、30-27、30-26。1R、ハリッドは左ヒザ蹴り、左ストレートでダウン2あり
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 グラウベ・フェイトーザVSハリッド“ディ・ファウスト”のベスト8ファイターが、激突。この試合は、世界レベルの蹴りと世界レベルのパンチの攻防が繰り広げられそうだ。グラウベは、もちろん極真空手のトップ選手で、その足技は誰もが恐れている。ブラジリアンキックと呼ばれる、ミドルキックの軌道でいきなり天井から降ってくるようなハイキックに変化するテクニックは、なかなか防ぐことはできない。だが、ハリッド“ディ・ファウスト”は、ダイナモを思わせる無尽蔵のスタミナを誇り、止まらないパンチの連打で相手を粉砕してきた。気持ちがとても強いファイターで、最後まで諦めないところは、グラウベにとってはやっかいだろう。蹴りとパンチの対決は、どちらが勝つのだろうか。
 1R、ハリッドはグラウベを急襲。一気に間合いを詰めて右フック、左フックと浴びせていく。だがグラウベは、ガードを上げて耐える。ハリッドは左アッパー。グラウベは左ハイキック、ミドルキック、前蹴りにつなげる。前へ出てフックを打っていくハリッド。グラウベが接近戦で左のヒザ蹴り。これがアゴを打ち上げて、グラウベがダウンを奪う。立ち上がったハリッドは、またしても左右のフックを連打。グラウベはヒザ蹴りで対抗した。だが、ハリッドはなおも前へ出て、左右のフックを乱れ打ち。じっと耐えたグラウベは、左ストレートをヒットさせて二度目のダウンを奪った。立ち上がったハリッドは、またしてもパンチを連発。グラウベもKOを狙ったが、ラウンドが終了した。
 2R、グラウベは前蹴り、右ローキック、ヒザ蹴りと蹴り技が中心。ハリッドは飛び込んで右フックを打っていくが、グラウベのガードを崩せない。グラウベも、フックを返す。ハリッドもダウンを挽回すべく手を休めない。お互いに打ち合う場面も。グラウベは、左ハイキック、カカト落としでハリッドに襲い掛かる。ハリッドは回り込んで、パンチを放つ。グラウベは下がらずに至近距離からの蹴りで対抗した。
 3R、展開はあまり変わらない。グラウベが左ミドルキック、左ローキック、左ハイキックと蹴り分ける。ハリッドはときおりハイキックが顔面をかすめるも、追いかけてパンチを打っていく。するとグラウベが、飛びヒザ蹴り。ジャブ、ローキック、ハイキックと怒涛の攻めが続く。だが、ハリッドも、もはや倒さなければ勝てないのが分かっているのかパンチで攻めていく。会場は、そんなハリッドの勇姿に一気に盛り上がる。しかし、時間切れ。判定でグラウベが勝利。ハリッドの健闘と、グラウベの強さが際立つ内容となった。■

 
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グラウベ・フェイトーザのコメント

「(チャンスがたくさんあったのでは?)1R目に先にダウンを奪えました。ハリッドの攻撃は激しくて慌てましたが、もっと真っ向から対抗して強い姿を見せるべきだったと感じています。(試合には満足している?)常に勝つのはいいことです。ボクにとっては勝つことが一番の目標ですから。(今後の課題は?)自分をトレーニングで鍛えています。でも、だからといって強くなる訳ではないです。その練習を自分のものにするか、どうかなんですよ。これからも、すべての面において練習で高めていきたいと思っています」■



ハリッド“ディ・ファウスト”のコメント

「(ダメージは?)すべては順調。平気だよ。(試合が単調だったのでは?)1年間、試合をしていなかったからね。リズムが失われたのが原因だと思う。定期的に試合ができなかったから単調だったんだよ。でも、この試合が次に向けてのモチベーションになるはずさ。(期間が空いたのはケガのせい?)そうだね。ホースト戦から4カ月も練習できなかった。拳を壊していてね。でも、ホーストとの試合が次に向けてのステップだったと思っている。(判定については?)勝っていたと思うよ。でも、ダウンを奪われていたから弁明はできないかな」■