第3試合◎K-1ルール/3分3R延長2R
セーム・シュルト
(オランダ/正道会館)
vs ポール・スロウィンスキー ×
(オーストラリア/チーム ミスターパーフェクト)
1R2分26秒、KO ※左ヒザ蹴り
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 絶対王者といわれるセーム・シュルトが、前人未到の三連覇へのスタートを切ることとなった。シュルトが、ここ4年間で負けたのは、チェ・ホンマンとピーター・アーツのみ。どちらも、僅差の判定で、シュルトが勝ってもおかしくない内容だった。つまり、ほぼ死角はないといっていい。そんなシュルトの前に現れたのは、ポール・スロウィンスキーだ。これまでのポールならば、シュルトには敵わないと思われていたことだろう。だが、アーネスト・ホーストの元で練習をするようになってから、みるみるレベルが上がっているのは間違いない。しかも、ホーストはシュルト対策を十分にポールに叩き込んでいるという。シュルトに負けて引退することになったホーストからすれば、どうしても倒さなければいけない相手。絶対王者の牙城をどこまで崩すことができるのだろうか。
 1R、得意の左ローキックで攻めていくポール。シュルトは前蹴り、ジャブ、前蹴りといつものパターン。ポールは右フック、右ローキック、右フック、左ローキックとコンビネーションで対抗する。左ストレートを当てていくシュルト。ポールは右フックでKOを狙う。ガードを上げるシュルトは、前蹴り、ジャブ。ポールは、左フック、右フック、左フック、ローキックとホースト氏から教わったコンビネーションをみせる。この攻撃が当たり、シュルトの顔が変化する。左のローキックをヒットさせたポール。だが、ポールをロープに押し込んだシュルトは、左ヒザ蹴りをアゴに直撃させる。そのままマットへ沈んだポールのKO負け。やっぱり絶対王者は強かった。■

 
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セーム・シュルトのコメント

「ポールのパンチに慌てたかって? それはないよ。相手の動きを見るために、少し時間がほしかったんだ。それから相手を観察して、左フックや右ヒザを出していったんだよ。(ホーストと闘っているような感覚だった?)それは感じなかったな。相手はホーストじゃなく、ポールだったからね。(開幕戦と普段のファイトではテンポが違う?)意図してはいない。いつも相手を見る時間はほしいと思っているけど、テンポを調整したつもりはないね。(今回の課題は?)とくにないな。トレーニングの積み重ねが大事だと思っているよ。(今回は新しい覚悟で試合に臨んだ?)ほかの選手もそうだと思うけど、私にも常に成長はあります。とても励みになる試合だったね。コンビネーションと精神面が強くなったと感じているんだ。(前人未到の3連覇に向けての気持ちは)3連覇が身近になっていると感じているよ」■



ポール・スロウィンスキーのコメント

「(今回の作戦は?)インサイドから頭を狙おうと思ったんだ。でも、相手の背が高くて不可能だったね。次は勝てるかって? もちろんだ。次は絶対に勝つよ。ほかの選手もボクがシュルトと対戦したことは不幸なこと、とは思わないはずだ。いい経験になったよ」■