世界最終予選トーナメント決勝戦は、誰もが予想していない顔合わせとなる。優勝候補の一角と見られていたザビット・サメドフのファイナル進出を予想していた関係者は多かったが、ダグ・ヴィニーは、リザーブマッチに出場の選手。ケガによる代役は多いものの、ファイナルまで上がってくることはかなりの確率だ。はたして、どんな結末が待っているのだろうか。 1R、ヴィニーは右ハイキック。サメドフは左フックからの右ローキックとコンビネーションで攻めていく。さらにサメドフは、インローで崩しつつ、左右のフックでKOを狙う。ヴィニーは、これを受けながらもローキック、フックを当てていく。手数で攻めたいサメドフは、蹴りからパンチにつなげるが、これはヴィニーにかわされる。ほぼ互角のままラウンドが終了した。 2R、ヴィニーは右ハイキック。サメドフは右ローキック、右フックをヒットさせた。なおも左フック、左ハイキックと追い込みをかけるサメドフ。ローキックを蹴りつつ、前蹴りで攻撃を組み立てるところは、さすがだ。だが、ヴィニーも負けていない。左フックからも右フックをヒットさせると、サメドフはニヤリ。ノーガードでヴィニーのパンチをよける余裕をみせて、効いていないことをアピールした。ヴィニーが右ローキック、ミドル、インロー、右フックを放ち、ラウンドが終了。 3R、サメドフは右ローキック。ヴィニーも同じ技で返す。ヴィニーは左アッパー。サメドフは右ストレートを打っていく。ヴィニーが左ミドル、左ストレートにつなげると、サメドフは右ストレート、ロー、右ハイキックと怒涛の反撃をみせた。ヴィニーは、右ハイキック、右フックでさらに反撃。試合はシーソーゲームになっていく。サメドフの右ハイキックに対して、ヴィニーも左のボディブロー。このラウンドも差をつけにくいまま、終了。勝負は、やはり判定へもつれ込む。勝利をアピールするサメドフ。だが、ジャッジが手を挙げたのは、ヴィニーだ。リザーバーが優勝という意外な結末となった。 9月のWGP韓国開幕戦の最後の自力でのチケットを手に入れたのは、シンデレラボーイとなったヴィニーだ。 ■ |