第8試合◎スーパーファイト◎K-1ルール/3分3R延長2R
バダ・ハリ
(モロッコ/ショータイム)
vs ピーター・グラハム ×
(オーストラリア/タイガーズデン オーストラリア)
3R判定3-0 ※30-27、30-28、30-27
report

 因縁の対決が実現した。二人は、昨年のニュージーランド大会で初めて激突。直前の記者会見では乱闘騒ぎになり、バダ・ハリが素手で殴りに行き、グラハムがタックルを決めるというアクシデントが起こってしまった。しかも試合ではグラハムが後ろ回し蹴りでバダ・ハリをKO。バダ・ハリはアゴを骨折というオマケまでついた。その後、バダ・ハリはルスラン・カラエフ、藤本祐介を倒し初代K-1ヘビー級のベルトを腰に巻くことに成功。倒さなければならない相手、グラハムへのリベンジを誓う。はたして二度目の対決は、どうなるのか。注目が集まる。
 1R、まずバダ・ハリがジャブから右ミドルキック。グラハムは耐えて右ローキック、インローと飛ばしていく。バダ・ハリはフックからヒザ蹴り、ローキックと素早い攻撃が繰り出される。左ミドルキック、右ローキック、ジャブからの左ミドル、ジャブからの右ローキックと止まらない。グラハムは、この攻撃の嵐を待つしかないのか。動かないグラハムに対して、バダ・ハリは右ストレート、ジャブからのローキックと容赦のない攻撃が続いた。
 2R、左ミドルキック、ジャブ、右ハイキック、左ハイキックと攻撃を散らすバダ・ハリ。さすがに現ヘビー級王者だ。グラハムはローキック。バダ・ハリはジャブからのローキック。右ボディ、右ハイキック、右ローキックとまったく休まるときがない。
前蹴りで突き放そうとするグラハム。バダ・ハリは前へ出て、ボディ、ジャブからのローと続く。少しでも隙を見せれば、グラハムがマットに沈んでいることだろう。

 3R、ヒザ蹴りで入るバダ・ハリ。ジャブからの蹴りにつなげる。グラハムは左フック、インローを返すがディフェンスされる。バダ・ハリは右フック、左ハイキックと幅の広いスペクタクルな攻撃。そして強烈な左ミドルキックをハードヒット。右ボディストレートが入り、グラハムはたまらずダウンを喫した。立ち上がったグラハムに、バダ・ハリはハイキックをからめながらもボディ狙い。これに耐えたグラハムは、後ろ回し蹴り。かわしたバダ・ハリは、苦笑いをした。最後も後ろ回し蹴りが飛び、これをバダ・ハリがかわして試合終了のゴング。判定では、ダウンを奪ったバダ・ハリの勝利。試合後、バダ・ハリとグラハムが抱き合うシーンもあり、因縁は終焉を迎えたようだ。■
 
 
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バダ・ハリのコメント

「(試合の感想)自分の思った通りの展開になることは分かっていたけど、相手の攻撃も受けちまった。オレが理想とするパーフェクトなファイトはできなかったな。でも、全体には満足してるぜ。(1年前と比べて、グラハムの印象は)前と変わらないな。今回はオレが成長しすぎちゃったかな。(3R開始前に抱き合っていたが和解?)友達じゃない!! 仲直りではないよ。でも、憎しみ合っているわけでもない。ただ、友人じゃないとだけは言っておく。ヤツは試合前にオレのアゴを折るとか言っていたけど、怒っていない。でも、試合ではブッ倒す、この前とは違うと念を押したのさ。(胴回し回転蹴りを出してきたが)見切っていたよ。ヤツが愚かに見えたな。試合の流れがオレに来ていたのでイライラしていたはずだ。すべてが見えていたんだ。得意技がかわされていて愚かに見えたよな。(今日のパフォーマンスに満足?)当然。ファンも満足していただろ? もう少しでKOできたけど、オレは勝つことを目標にしているからな。嬉しいし、グラハムは十分、香港で恥ずかしい目にあったはずだし。オレはK-1に参戦してそんなに長くないけど、あらためてファイティングスポーツのなかでもナンバー1だと思う。素晴らしいイベントだし、誰もが夢見る場所だ。これからも香港で広まって行ってほしい」■


ピーター・グラハムのコメント
「(試合の感想は)今日のパフォーマンスに関しては、負けたけどよくやったと思うよ。 ヤツは一年半前とは違って、試合に集中していてディフェンスもタイトだったな。得意技を出したけどうまくかわされた。成長が見られたよ。ヒザももらったし、ポイントで負けた。でも、オレはニュージーランドの記者会見、口で勝ってる。そのあとのバトルでも、先日の記者会見でもね。全部で勝つわけにいかないよ。リングの上では勝たせてあげたんだ(笑)。でも、今回は彼の準備がよかったから勝ったんだよ。前回とは違って別人のようだったな。イケイケの選手が静かな選手になっていた。でも、まだ一件落着じゃねーよ。またリングの上でストリートファイトばりの試合をしたいな」■