第4試合:世界一決定トーナメント開幕戦/K-1ルール/3分3R延長1R
× ドラゴ
(アルメニア/前年ベスト4/チーム SHOW TIME)
vs マイク・ザンビディス
(ギリシャ/推薦/メガジム)
延長R判定3-0 ※9-10、9-10、9-10。本戦0-0…30-30、30-30、30-30
report
 まさにKO必至の対戦が実現した。“鉄の拳”を誇るマイク・ザンビディスと対戦するのは、昨年、MAXに待望の参戦を果たしたゴールデンルーキーのドラゴ。お互いに序盤から激しく動いていくタイプなので、試合は瞬き禁止になること間違いなしだ。ザンビディスのパンチが世界トップレベルであることは周知の事実。MAX初代王者のアルバート・クラウス、HERO’S王者の山本“KID”徳郁を破るなど実績は十分過ぎるほどと言っていい。今年こそは、今までどうしても手が届かなかったベルトを狙ってくるだろう。対するドラゴは昨年の世界大会でクラウスを撃破し大金星を挙げ、惜しくもブアカーオに敗れたが、彼の残したインパクトはとてつもなく大きかった。その勢いは今年に入ってからも健在だ。世界最終選抜で日本のホープ、山内祐太郎から何度もダウンを奪ってTKOで勝利した。あらためて実力が世界レベルだと証明したドラゴ。今年の目標は当然、世界王者となる。
 1R、意外と蹴り合いから始まる。ドラゴは左ハイキック。ザンビディスは右ローキック。そして、ドラゴは前蹴り、右ローキックで様子を探る。ここでザンビディスは右ボディブロー。ドラゴは右ハイキックを返す。ザンビディスはローキックから右ストレート。ドラゴはハイキック。左右のボディブローを打つザンビディス。そして、飛びヒザ蹴り。左右のボディブローにつなげて、ザンビディスは手数で圧倒する。ドラゴは右ハイキック、右ストレート、後ろ回し蹴りで攻撃。ザンビディスはボディ、ボディ、ボディと連打。ザンビディスがやや優勢のままラウンドが終了した。

 2R、ザンビディスはローキック、ボディブローで攻撃。左のボディブローが得意にいい。ドラゴは右ハイキック、右ローキックとあくまでも蹴りで勝負。ザンビディスはパンチだけに偏らずに、ローキック、飛びヒザ蹴りと変化をつけていく。顔面へのフックと、ボディブロー。上下に打ち分け、相変わらずザンビディスは動きが止まらない。だが、ドラゴはハイキック、ミドルキック、前蹴りと負けずに攻撃のスピードが増していった。後半に入ると、ドラゴが盛り返す。イーブンともいえるラウンドとなった。
 3R、前へ出るドラゴ。やや動きの落ちたザンビディスに、右ローキック、ハイキックで押していく。蹴りにパンチを入れつつ、ドラゴが猛攻を開始した。ザンビディスはパンチを打つが、すでにスピードは遅い。逆にドラゴの攻撃は鋭さが加わっていた。前へ出ながら、ヒザ蹴り、ローキックで攻めるドラゴ。体力が回復してきたのか、ザンビディスは飛びヒザ、ボディブローで盛り返す。蹴りが止まらないドラゴ。パンチが止まらないザンビディス。意外にもKOでは決まらずに判定へ。後半の巻き返しをジャッジが評価したのか、0-0のイーブン。延長戦へと突入した。
 延長ラウンド。蹴りだけではなく、フックを打ちまくるドラゴ。最後の力を振り絞って、持っているものをすべて出すつもりなのだろう。蹴りをガードするのが精一杯のザンビディス。このままドラゴが逃げ切るかと思いきや、後半はザンビディスの逆襲が始まる。右ボディ、左ボディ、飛びヒザ蹴り。生き返ったザンビディスは、パンチでドラゴを沈めるつもりなのだろう。ドラゴも負けずにフックを放つが、パンチになればザンビディスのほうが上だ。このラウンドでも大きな差はなかったが、判定で勝ったのはザンビディス。ドラゴが消えて、決勝トーナメントへ進出したのは、ザンビディスだった。■
 
 
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マイク・ザンビディスのコメント
「(試合の感想は)勝ったことはひじょうに嬉しいけど、強い選手だったので失敗もあったよ。やりたいことができなかったな。(できなかったこととは)コンビネーションがあまりできなかったし、体も緊張していた。手数も一発で終わらせたくなかったんだけどね。(相手の印象は)大きい相手ほどオレの闘志は大きくなるから問題はなかった。でも、相手は世界のトップ3か4だからね。強かったし、オレの動きを研究してきたな。細かいところで集中して精神力で闘ったんだ。延長戦は気持ちで乗り切ったよ。ギリシャにアーネスト・ホーストが来たとき、『勝ちたい気持ちがある選手が勝つ』と言われたんだ。その通りになったね。(ホーストと練習した?)いや、ホーストとは練習しなかったけど、去年の12月にオランダのラモン・デッカーと練習したな。(今後の意気込みは)大きい選手と闘って、チャンスを貰ったので嬉しいね」

ドラゴのコメント
「(感想は)結果として負けて悔しい…。実は試合前から体調が悪くて、万全の体調で試合には臨めなかったんだよ。体調が万全なら結果は変わっていたはずさ。(病気?)熱はないけど、体調が悪いんだ。風邪の引き始めだと思う。(手数に影響した?)そうだね。手数が少なくなった…。(相手の印象は)いい選手だと思う。でも、また闘う機会があれば、違う結果になるはずだよ…」■