第1試合:スーパーファイト/K-1ルール/3分3R延長1R
TATSUJI
(日本/日本代表第2位/アイアンアックス)
vs アンディ・オロゴン ×
(ナイジェリア/推薦/チーム オロゴン)
3R判定2-0 ※29-28、29-29、29-28
report
 サバイバルマッチのもう一試合は、対照的な顔合わせとなった。「気に入りませんね」とアンディ・オロゴンに敵意をむき出しにしているTATSUJI。オリンピック強化指定選手の地位を捨ててプロに転向し、ギャンブルで生計を立てていた時期もあるほどの叩き上げのファイターであるTATSUJIは、MAXの舞台でも多くの挫折を味わってきた。マイク・ザンビディスと目の覚めるような打ち合いを演じ評価を上げたものの、日本代表決定トーナメントでは優勝を期待されながらも2年連続で佐藤嘉洋に敗れてしまう。天国と地獄を味わったTATSUJIはアルバート・クラウス戦で勝利を収め、何とか開幕戦へと滑り込んだ。対するアンディは、小比類巻を撃破し関係者、ファンのド肝を抜いたばかり。絶対王者のブアカーオに挑戦して敗れはしたが、3Rをフルに闘い抜いて評価を上げている。
「ボクは決勝大会に進めなくてもいいんです」とTATSUJIとは対照的な姿勢を見せるアンディ。すでに素人レベルとは言えなくなったアンディの実力は本物だけに、TATSUJIも決して侮れないだろう。

 1R、インローから蹴っていくTATSUJI。オロゴンもインロー、そして前蹴り。TATSUJIは左フックを打っていく。これをディフェンスしたオロゴンは、右ローキック。TATSUJIはジャブから右ストレートでKOを狙う。オロゴンはこれを肩でガードした。さらにTATSUJIは左フック、右ストレート、左フックと続ける。ガードしていたオロゴンだが、右フックをもらって、ヒザを落としそうになった。

 2R、TATSUJIは右フック。オロゴンは左ミドルキックを連発。右ストレートを見舞っていく。TATSUJIは、右フックで返す。踏み込んで、左フックで倒しにかかる。オロゴンはミドルキックから左ハイキック。TATSUJIはボディブローで崩しにかかる。ヒザ蹴りで対抗するオロゴン。ほぼ互角のラウンドだった。
 3R、TATSUJIは右フックで攻撃。これをガードしたオロゴンは、右ストレートをヒットさせる。ダッキングをしたタイミングだったのか、ヒザを落としそうになるTATSUJI。オロゴンはさらにパンチでラッシュをかけるが、これはTATSUJIがガード。右アッパーで反撃した。お互いにパンチを交換。決定打はなく、試合が終了。僅差の判定となり、TATSUJIが勝利を収めた。■
 
 
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TATSUJIのコメント
「(印象は)体が大きくてやりづらいです。もっとなかに入ってパンチを打ちたかったんですけど。それ以外、あんまり印象はないですね。手足が長かったです。(懐に入れなかった?)相手の攻撃は軽いんですけど、延びてくるんで入れなかったです。(2Rからは蹴りがなかったが?)パンチで倒したかったんで。でも、力みましたね。反省点です。(手応えのある攻撃はあった?)右のフックは手応えがありました。でも芯じゃないですね。芯に当てたかったです。(トレーニングの成果は出せなかった?)そうでもないです。踏み込む力が前よりは。以前はリングで滑ったりしていたんですけど、今はしっかり打てるようになったんで。(相手の組み付きにイライラした?)自分は接近戦で力を出すんで、そこらへんは研究されていたと思います。(試合には納得していない?)あのくらいのレベルならしっかり倒さないと納得できないですね…。(今後の目標)パンチをもっとしっかり踏み込んで打ちたいです。それで9月の世界大会に行きたいですね。(挑発されていたが)普段は自分がやるんで、気にしてないですよ。9月に向けてはアピールできていないけど、自分しかいないと思っています。最後に一つ、いいですか? 世界大会にでたら絶対、優勝を狙えると思うんで、世界に向けて頑張りたいです」■

アンディ・オロゴンのコメント
「(試合の印象は)覚えていないんで…。記憶がないですね。試合に夢中で…。試合が終わってセコンドと話したときに、練習の成果が出ていないと言われました。一から出直したほうがいいと感じましたね。今回からタイ人のトレーナーを雇って、パンチに付き合わず前蹴りでと思っていたんですけど、リングでは固まってしまいました。自分の未熟さです。(次の予定は)しばらく休みます。今の気持ちはデビューしてから5試合もやってきたんで、休んで練習期間を長くしたいです。(ケガや体調不良はあった?)一切ないです。それをいったら言い訳です。ただ、気持ちが万全じゃなかったです。リングで楽しんでいると思っていたらダメですね。倒してやるという気持ちがなかったです。精神的にもテクニックも向上しないといけません。期待してくれたみなさんに応えられなくて残念です。“猿も木から落ちる”し、誰でもミスをしますからね。(兄、ボビーの不在が響いた?)精神的なものはいつも、見てもらっているけど、いつまでも頼れないですよね。今回はそれが裏目に出ました。精神が一番の問題です。 ぶっちゃけ、当分は試合に出ないと思います」